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I歯科医院の高楊枝通信。

I歯科医院の高楊枝通信。

ストリップスを使わない隣接面CR1.1(虫歯の電気化学説)

前回のつづきで、前回分もしっかり読んで欲しい。

https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202407190000/

これをよく見ると分かってくると思う。と書いたが、分かってこない方のためにちょっとだけ解説をしてみたい。

左上5の遠心に三角の欠けがあるが、これはクラック(ヒビ)があったところが虫歯になって内部の象牙質だけが溶けてしまい外側のエナメル質だけが残り、エナメル質は薄くて硬いのでそこが咬合力で欠けたと言うことだ。

なぜエナメル質は残り象牙質だけが溶けるのか?

歯医者の説明ではエナメル質は硬く象牙質はそれよりも柔らかいので溶ける。とされる。
しかし考えてみて欲しい。

柔らかいのと溶けやすいと言うのは別の話だ。

歯科医学の論文でさえ大真面目に語られている。おかしいと思わないのだろうか?
柔らかいスポンジは酸に溶けやすく、硬い石膏は酸に溶けにくいのだろうか?
違うのだが、思い込みと言うのは恐ろしい。歯科医師は100年以上もこんなことを信じて疑わない。

そもそも酸で溶けると言うのなら、どちらもそれなりに溶けると思うのだが、そうではない。エナメル質は全く溶けない。

ちょっと話が横に逸れた。

なぜエナメル質は残り象牙質だけが溶けるのか?

それはイオン化傾向がエナメル質より象牙質の方が大きいからだ。
昔実際に測ったことがある。電子テスター1つで測れる。

これは金属腐食の分野では​異種金属接触腐食​と呼ばれている。

これは異種金属接触腐食の例だが、虫歯そのものに見えると思う。


http://www.yoshizaki-mekki.co.jp/eigyou/aen/zn.html

そして内部の方が外部より溶けやすい。それは酸素濃度勾配による起電力も持続的に働いているからだ。
虫歯の内部には実は細菌は少ない。細菌の関与は思われているほどではない。




エナメル質はなるべく残そうとしているので、内部はよく見えないが、赤のラインくらいまでは象牙質は溶けて無くなっている。

これからが今日のメインの修復の実際編だ。もっと詳しくは​このカテゴリー​や​ここ​などを参照してください。

歯髄に近いところの虫歯はしつこく追求する必要はない。α-TCPで修復される。α-TCPは歯質の修復材料になる。基本的には同じ物質だからだと思われる。

フィニシングラインだけは1mmの幅でしっかり新鮮歯質を確保する。接着を完全にして漏洩を防ぐためだ。


α-TCP+3MIX塗布


1次CR、過不足なくフィニシングラインを覆う。


フロアラブルレジンは押し出しながら使う。シリンジの先端で伸ばしてはいけない。レジンも丁度良い稠度があるので、​今のところ、この銘柄​がベストだと思う。


フロスが通ることを確認


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