カセット・
デンスケの最終型はこれ、S社のTC-D5Mです。
これは80年製ですので、純粋な70年代ではありませんが、
前回の
73年製のデンスケから7年、
こんなにコンパクト、省エネ、高音質、壊れない、全ての項目で進化しました。
謂わばカセット・レコーダーの完成型です。
デジタル時代以前の成熟したメカ。
最近まで25年間も生産していた超ロングラン製品です。
これこそが
本物。
この後に出るDAT(デジタル・オーディオ・テープ)のようにデリケートなメカではないので、タフです。
まったく壊れない。
そして充分過ぎる音質を持っている。
かの録音マニアの天才ピアニスト、グレン・グールドも愛用していた。
ワウ・フラッター(回転ムラによる音ユレ)が彼の耳をしても聴き取れなかったとか。
これのどこに不満があるの?
近年の
ICレコーダーはオーディオ用と称するものでも、
音は非常に悪い。
こんなものを常時ヘッドホンで聴いていたら、
耳はもちろん、脳も破壊されるのではないだろうか?