カテゴリ:虫歯予防一口メモ
と思ったのはこういう経験をしたからです。
僕は歯科技工士(歯を作る職人)だったのですが、 まあ、歯医者の下請けです。 歯の型にぴったり合った精度の良い技工物を作ろうとがんばっていたのですが、歯医者の段階でレベルダウンしてしまう。 しょうがないので、歯医者の免許を取りました。 8年も掛かりましたけどね。 これで、最初から最後まで精度良く患者さんの歯を作ることができるな。。 と思ったのもつかの間、とは言え10年くらいは体がもちましたが。 精魂込めて患者さんの歯を最初から最後まで自分で作るなんて無理です、 第一寝る時間が無くなる。 結局、からだ壊しました。 腱鞘炎で手が動かなくなりました。 字も絵も描けなくなりました。 指だけは動くので仕事はできますが。 このままでは死ぬな。。 医者の入院勧告を契機に予防歯科を始めました。 これで歯科医院がつぶれるなら、それもしかたがない、、 削りまくる歯医者から180度の方向転換です。 それが10年程前。 予防歯科を始めた頃、ちょうど熊谷崇先生が講演会をしていたので行って来ました。 立ち上げ時はヘルスケア歯科協会に入って熊谷システムを導入しました。 今では当時の面影も無いくらい診療システムは変化しましたが。 折りよくダイアグノデントという虫歯を数値化できる機械が発売され すぐに導入しました。 これがなかったら予防歯科は成り立たないでしょうね。 とりあえず、 うちに来てくれる子供達の虫歯を定期的にモニターしてみようということでやっていました。 この当時はフッ素は虫歯に効くと単純に信じて使っていましたが、 あるときとても熱心なお母さんがいて、 いろいろと臨床的な協力をしてくれるのです。 中一のうちの子の虫歯が心配、なんとか削らないですまないか、、 といわれて、やってみました。 その子はカリエス・リスクはふつう、 ただ塾に行く前と帰って来てからの夕食の2度食べがある、 朝晩のハミガキ後の低濃度フッ素ジェルの塗布と毎月のPMTCをしてもらいました。 でも、ダイアグノデント値10~40がジワジワと上がっていくのです。 要するに虫歯は進行している。 どうしたらいいの?? やっぱり削る治療が必要になるのか、、真剣に悩んでいました。 その頃、僕の高校の時の英語の先生が患者さんとして来院され、 僕の虫歯の説明で、酸性だと歯が溶けるんですよ。。 というと、 それなら重曹で酸を中和したらいいんじゃない?とおっしゃるんです。 え、重曹ですか。。??、そ、そうですよね!! というわけで、さっきの女の子に重曹水で飲食後にうがいしてみて、 という指示をだしました。 その子のお母さん、とても真面目でせっせと重曹水で娘にうがいさせました。 1ヵ月後、DD値が軒並み下がっています!! フッ素塗布では何ヶ月やっても虫歯を止めることができなかったのですが、 重曹では1ヶ月で治りました。。 ま、こういう経験が今につながっているのです。 歯科治療は今でも最初から最後まで自分でやっていますが(外注なし)、 これで完璧ということはありません。 どこかに接着が不十分なところがあるかもしれない、 接着はがれが起こり、隙間ウ蝕が起こるかもしれない、 結局、歯医者というものは自分で自分の仕事を作っているのです。 お分かりですかな? 今では歯医者が増え過ぎてその仕事すらない、 それが現実、 もうそろそろ商売換えを考えないとね。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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