80代男性、右上3、メタルボンドのセラミックス冠です。
20年前はこんな面倒なものを自作してたんですね。。
今では考えられませんw
セラミックスは◯ーパー◯ンドが利きにくいので、歯牙固定には不向きです。
この際レジン系の前装冠に換えることにしました。
じつはこの方、僕が高校生の時の英語の先生で、
例の虫歯が酸で溶けてできるのならアルカリ(重曹)で中和すれば?とアドバイスをくださった方です。
冠を除去するとマージン付近は◯ーパー◯ンドがダツリしています。
でも大した虫歯にはなっていません。
嫌気性の硫化物還元細菌(黒い部分がその代謝産物のFeS)より好気性の酸産生菌が優勢になるほどの大きな隙き間ではなかったのでしょう。
黒くなっている虫歯は進行し難いといわれる理由はFeSのイオン伝導の阻害性にあるのですが、
歯科医師は全く気が付いていません。
長期的な観点からはセメントの歯質接着性などはあまり意味がありません。
セメントの歯質接着性が重要なら、
アマルガム充填や金箔充填が歯質接着性どころかセメントさえ使わないのに長期的にとても安定している理由の説明はできないはずです。
セメントの性質として重要なのはダツリしても十分硬く隙き間が出来にくいこと、歯質よりもイオン化傾向が大きいことです。
これが臨床的にはリン酸亜鉛セメントが歯質接着性がないといわれつつも長期的な安定性が高いといわれる理由ですが、
これも現代歯科医師はまだその真の理由に気が付いていません。