30代女性、左上4、インレー脱離後放置? 治療途中?
内部の象牙質は溶けてしまって、薄いエナメル質しか残っていない。溶けた象牙質とエナメル質の隙間から歯肉息肉が内部にはみ出してきている。
これでも歯髄は生きているようだ。
溶けかかった象牙質とエナメル質とは簡単に外れた。
エナメル質はほぼ完全に原型を留めているのを見て、虫歯は歯が口腔内の最低Ph4程度の酸に溶けたものではないな〜と気がつかなければならないのだが、歯科医師は気がつかない。そもそもpH4の酸ではエナメル質も象牙質でさえ溶けないのだが、歯学部では実験しない。
不都合な真実だからだ。
エナメル質は溶けずに象牙質だけが溶ける理由はイオン化傾向がエナメル質より象牙質の方が高く、象牙質が腐食電極にエナメル質が対電極になり象牙質だけが溶ける「電気化学的」な現象だと考えればよく分かる。
歯肉縁下の歯根だけになってしまっては神経を取ってポストを立てて冠を作るしかないと考えるのが歯科医学の一般的な治療方針だが、歯科医師によっては歯肉縁下どころか歯槽骨縁下の歯を治療することは無理なので抜歯してインプラントを勧めるかもしれない。
僕はそのどちらもしない。抜歯どころか、神経も残し、型取りして冠を作ることもしない。その場で歯冠を再建して終わる。
こんなものでも10年保つことがあるから歯科医料とは一体なんなのか?と考えさせられる。
実像と鏡像が混ざっているが、時系列でどうぞ