カテゴリ:義歯
今日は明日セットの技工作業があって23時を過ぎてしまい、用意していた抜歯再植症例のアップが間に合わない。
仕方がないので、今出来たばかりのCKの画像をアップしよう。 従来のCK(金属鋳造冠)の欠点を全てクリアした人工歯冠をご紹介する。 1、コアにCRを使うことにより歯質と金属の電気的な絶縁が成立する。つまり歯根をCRで覆うわけだ。 電気的に絶縁すると金属と歯質の間のイオン化傾向の差による異種金属腐食を防ぐことができ、2次カリエスフリーとなる。 2、CRコアはメタルポストと異なりアンダーカットを積極的に活用でき、脱離しにくいだけではなく、歯根破折を招きにくい。 3、咬合面にハイブリッド系のCRを使用すれば、通常のCRよりは耐磨耗性の向上を図れる。通常のCRでも耐磨耗性の高い商品はあることはあるが、口腔内での爆速治療は難しい。 4、メタルフレームに耐磨耗性は低いが、十分な強度を持つ銀合金を使用できる。これは価格的に金やパラジウムに比べると一桁以上安価だ。金属資源の減耗による価格高騰は歯科業界だけではない大きな問題だ。 しかもスー⚪️ーボンドによる歯質接着性が金合金やパラジウム合金に比べるとかなりよい。 5、銀合金は歯質(主成分のハイドロキシアパタイトはプロトン電導性だ)と比べると自然電位差(イオン化傾向の違い)が0.5V。金合金やパラジウム合金の0.7Vに比べると30%低く、それだけ虫歯になりにくい。いいことづくめだ。 6、ポストは2mmの高さが必要という公式見解があるが、これでは歯質を電気的絶縁体であるCRで覆うことは困難になる。そこで、逆方向に2mmの高さ(深さ)があるピンレッジを使用することでこれは解決可能だ。 ピンレッジは過去の歯科医療の文献を見ると200年以上の歴史があることがわかる。もっと活用するべきだ。 では技工作業の画像を3枚だけ。もし口腔内の画像を見たい方があればリクエストしてほしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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はーい!口腔内の画像見たいです!
(2021/10/21 04:05:16 AM)
自称"最新技術!"な高級歯科医院がどこもかしこもファイバーコアとセラミックなのでてっきりそれが近未来的なのかと思ってました。
あとやたらゴージャスなイメージのある"ジルコニア"とか。 先生からすればそこら辺は微妙な感じなんですかね? (2021/10/23 01:45:31 PM)
この近未来問題というのは実に大変なことで、それが見えていますので、それを見据えた対応ということなのです。
近未来に世界がどうなるのか?というのはここの最重要課題で、アクロバテックな歯科治療もそうなった時に必要は治療方針とテクニックを伝えるためにあるのです。 ここの「もったいない学会」のカテゴリーで概略が掴めると思いますので、ぜひご覧になってください。 https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/?ctgy=22 このシリーズ1.8ももう少し掘り下げて、なぜ近未来のクラウンなのか解説してみようと思います。 (2021/10/23 09:01:51 PM)
mabo400さんへ
返信ありがとうございます。 セラミックは二次カリエスリスクが低いのはなぜ? http://happiness-kawanishi.jp/archive/433/ こちらにはレジンは水分や細菌を吸収しやすく隙間が出来やすいため二次カリエスになりやすいがセラミックはそういった事が起こりにくい また接着の仕方の間違いが大きい等々セラミックの二次カリエス的な利点が綴られていて、私のような素人にはただなるほどと思ってしまったわけですが、書かれていないデメリットもあるでしょうし(値段が高い以外の)、先生視点の見解も知りたいと感じました。 (2021/10/23 10:03:42 PM)
質問なのですが、メタルフレームでなくオールレジンではなぜダメなのでしょうか?
(2021/10/23 10:52:20 PM)
レクサスさんへ
セラミックス系のインレークラウンはヤング率が高く撓みが少ないので、接着剥がれが起こりにくいのです。割れる方が多いかな、歯質の撓み量の方が大きい場合もありますから。 ハイブリッド含むレジン系インレーは比較的撓みやすいので、接着剥がれは起こりやすい。 アンダーカットのある充填にすれば剥がれにくくなります。 ここが重要! 接着剥がれ(隙間ができる)が起こるのは、ヤング率の違い、抵抗形態が付与されているか?(インレーのようにアンダーカットのないものは全てNG)。 もちろん金属と違い異種金属腐食が起こらない。 全部このサイトに書いていますよ?、自分の頭で考えることが必要!ちゃんと読みましたか? これからレジンコアの前の段階からの画像をアップします。内面にわざと凹凸を付けて剥がれに抵抗しています。画像はよく見れば色々な情報が読み取れます。 このサイトはそういうつもりでクリアな画像をアップしています。解説は一々しませんが、理論的に読み込めば情報量は多いのです。 見れば解るのにつまらん質問には答えません。 自分の頭で考えない、自分の手で試してみない、正書やネットに真実が書いてあるとか信じている。 世の中には嘘に溢れています。どうしたら騙されないか?わかりますよね? (2021/10/23 10:55:30 PM)
猫ふとしさんへ
ダメではないです。 オールレジンの症例もたくさんあります。 しかし外部の歯科技工で作るメリットはあります。 レジンコアを丸く作って、咬合力のベクトルの方向が歯の中心を囲むように働かせれば、歯質が割れにくい。 金属はヤング率だけではなくレジンよりも応力に対する崩壊点が高いですから。 また咬合面のレジンもより耐摩耗性のあるものが使用できます。 こんなことは見れば判りますよ? (2021/10/23 11:08:28 PM) |
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