前回のつづき
当時8歳女子、左上1、歯牙破折
下校中に一緒に帰っていた友達に不意に足をかけられて転倒。
そのままうちに駆けつけた。
この症例は色々と興味深いことがあった。
まず、加害者の親はそんなことは知らないと突っぱねたらしく、怒り狂ったお母さんが、弁護士を立てて損害賠償請求を行い、?百万円で示談が成立したとかで、なんかものすごい世の中になったもんだと思ったこと。
抜歯してみると歯根はほぼ完成していたが、血管も神経も千切れたにもかかわらず、歯髄は取らずに破折歯髄を残したまま直覆し、歯冠再建後再植したが、歯髄が壊死することはなく生着した。
また若い子の象牙質は柔らかく、打撃時の応力で変形し、再建した時に破折面が合わずに隙間ができた。
少し幅が広くなっている。象牙質は30%でしたか、コラーゲン繊維でできているので、塑性変形する。
一昨日矯正治療で1年ぶりに画像を残してみたが、歯髄は生着しているように見える。
歯髄というものは非常に再生力の高い組織だということが分かる。その歯髄を取ろうというのが一般的な歯科治療というのはもうそろそろ考え直した方が良いと思う。
今日は再植過程だ。
では時系列でどうぞ