カテゴリ:今日の2次カリエスシリーズ
70代女性、右上3、2次カリエス、少し違和感あり
こういう歯科医師ならしょっちゅう遭遇する症例と言っても、一般の人は見ることはほとんどないだろう。患者でも見ることは少ない。自分で手鏡で見ることはあるかもしれないが、全行程を見ることはないだろう。アシスタントに着く歯科衛生士なら見ることはできると思うが、歯科技工士は全く見ることはできない。とても参考になるはずだ。 というわけで、画像をアップしてみます。 CKの外し方は縦にスリットを入れて、こじ開けるように外すのが一般的だ。 外してみると、2次カリエスの他に、以前のカリエスを埋めていたCRが脱離していたり、先端部分が欠けていたり色々だ。これでも生PZ(生きている歯を削ったもの)だ。 隣の4番のカリエスも同時に充填処置をしておく。 2次カリエスというのは削った歯に直接冠を被せるからなるわけで、歯質と金属のヤング率の違いで脱離は避けられない。接着剤やセメントの効果も限定的だ。イオン化傾向の違いでイオン化傾向の高い歯質が溶ける。そもそも冠が脱離して、その隙間から2次カリエスが起こるということは避けられない構造だ。 これを防ぐには歯質はあらかじめCRで完全に覆い、直接歯質を金属が触れないようにすれば解決する。 電気的な絶縁を施せば解決するのだ。しかも不整な表面に施すCRはセメントと違い脱離しにくい。 なぜこんな簡単なことに気がつかないのか? あまりにも科学的に低次元なのが現代歯科医学の現状だ。虫歯とは何か?歯質(ハイドロキシアパタイト)の電気化学的腐食つまり金属のサビと同じだということに全く気がついていないというお粗末さだ。 歯科医師はこのことに気が付こうともしないので、皆さんが、気がついて欲しい。そして歯科医師に説明して欲しい。そうでないと歯科業界は変わらないからだ。 では時系列でどうぞ この後は通常通り型取りして外部の技工作業で冠を作成する。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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患者からするとこういった情報が広まって欲しいと感じますが、
まず患者が持ち込んだ記事をちゃんと見て参考にする、頭が柔軟な歯科医さんを見つけるのが難しい現実…。 スマホをチラ見だけしてスルーされのは当たり前で「じゃあそっち行けば?」とか言われてしまったり。。。 悲しいです。 (2021/11/10 09:10:57 AM)
こまいさんへ
僕が提唱し始めた重曹うがいも10年もするとあちこちの歯医者さんが薦め出しているようだし、諦めないで盛り上げていくのが重要かと思います。TwitterとかFacebookとかのSNSには僕は直接出ていませんが、皆さんがやってください。 (2021/11/10 12:28:33 PM)
私の通っている歯科医院の院長は、もともと工学系(電気)の大学を卒業後電気系の一般企業に就職、実家を継ぐために歯学部へ再入学したという経緯だそうで、このブログの内容を紹介したところ、目から鱗だとおっしゃっていました。
私自身、重曹うがいと歯間ブラシ・フロスを始めてから、まったく虫歯にならなくなったので、歯石取り&クリーニングに行くだけで済むようになりました。 (2021/11/11 09:11:43 AM)
名無しさんへ
そうですか。。よかったです。 歯科医師は歯学部にいる間に洗脳されてしまって、虫歯の電気化学説は理解できないのですが、一旦外に出た人は解りますね。虫歯は電解研磨と同じものだということが。 歯科業界は外から締め上げないと変わらないでしょう。期待しています。 ちなみにその方はどちらの県の方でしょうか? (2021/11/11 11:54:22 PM)
隙間腐食について
いつも勉強させていただきありがとうございます。 隙間腐食がある場合は重曹うがいは効果があるのでしょうか? レジンを詰めた所の二次カリエスが心配なのですが、重曹うがいで二次カリエス予防や進行を止めることはできるのでしょうか? 下記の様な文面を拝見し、隙間があれば二次カリエスは予防することが出来ないのではないかと思い質問させていただきました。 隙間に電解質が侵入し、異種金属接触腐食、酸素濃度差腐食が起こるということだ。 その隙間から2次カリエスが起こるということは避けられない構造だ。 (2022/10/14 06:14:07 PM)
ナベなへさんへ
虫歯の発症には酸性環境と起電力が同時に存在することですから、起電力の除去は難しいとしても酸性環境でなくすることはできるかもしれません。 どちらか一方がなければ良い。 どうでしょうか? (2022/10/14 10:15:27 PM) |
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