40代男性、左上5、冷水痛+
インレー入ってはいるがこれが2次カリエスになっているというわけではない、でも沁みる。
知覚過敏とは象牙質が露出しているからと言われているが、露出していても沁みない歯はいくらでもある。
実は知覚過敏症も咬合性外傷が原因となっていることはまだ知られていない。
こうなると、虫歯も歯周病も咬合性外傷が原因なのだから、知覚過敏よ、お前もか!となる。
では咬合性外傷が知覚過敏になるメカニズムはというと、外傷力(歯ぎしり、食いしばりなど)により根尖付近の血管が損傷し、血栓やデブリが歯髄の毛細血管につまり塞栓症を起こす。これが歯髄炎の原因となり、歯髄内圧が亢進し、歯髄神経を圧迫して痛覚閾値が低下する。これが知覚過敏症だ。
この理論も世界初だと思う。歯科医学のレベルは異常に低いことを知っておくべきだ。
象牙質の表面から歯髄に達している2ミクロンほどの小さな管を埋めてしまえば知覚過敏は治ることがあるが、これは対症療法に過ぎない。
真の治療法は咬合性外傷を取り除くことだ。この方の場合は歯ぎしりをしているので、ナイトガードの装着だ。それでも改善しない場合は側方運動時に強く当たるところを削合する。それでもダメなら犬歯誘導を付与する。それでもダメなら、ナイアシン+トリプトファンを処方しセロトニンで楽しい夢を見ていただくw
このように対症療法ではない治療法は真の原因が分かればいくらでも考えつく。
この症例はストリップスを使った方が良い症例かもしれないが、あえて使っていない。
インレーの遠心半のセメントはすでに脱離しているが2次カリエスは発症していない。
では時系列でどうぞ