30代女性、右下6、隣接面カリエス、滲みる
トンネリング技法は辺縁隆線を残す形成技法でCR充填では時間の短縮につながる。もちろん綺麗に仕上がる。
現代歯科医学では「虫歯は細菌感染症」なので虫歯を取り残してはいけない。というセオリーがあるが、これは残念ながら完全な誤りだ。
虫歯は細菌の酸、毒素なり溶解酵素で歯質が溶けるというものではなく、金属のザビ・腐食と同じカテゴリーに属する現象だ。
これが僕が提唱している「虫歯の電気化学説」だが、これに従えば虫歯を外部と電気的に遮断すれば進行は止まる。したがって、必死に虫歯を完全に除去する必要はない。ボンディング材が効くように接着面だけ新鮮歯質を確保すれば良い。
これは長期に渡って完全な封鎖性が保たれるCR充填だけに許される治療法だ。外部で作るインレー・クラウンでは上手くいかない。咬合力により早期に封鎖性は破れ失敗する。インレー・クラウンの場合は虫歯を取り残してはいけない。少なくとも辺縁封鎖が破れる範囲に虫歯が残っていてはダメだ。これは経験的に歯科医師は知っているのだが、その根本理由を100年以上も完全に誤解したままだ。
現代歯科医学は100年以上も前から全く進歩していない恐るべき学問なのだ。もうそろそろ教科書を書き直す時期に来ている。
いつもそうなのだが、この症例も麻酔を使っていない。むしろ使ってはいけない。使うと露髄しても気が付かずその場でのフォローができない。また痛みが出たらそれ以上削る必要のない健全歯質だと判断できるからだ。
では時系列でどうぞ