当時20代男性、左右上顎7、カリエス、というより歯冠崩壊に近い、時々痛い
この手の虫歯の原因は、うつ伏せ、横向き寝により奥歯に酸素が行き渡らないので酸素濃度差腐食が起こることによる。また唾液で酸を中和することもできない。それに食いしばりや歯軋りなどの咬合性外傷や開口があるなど、この歯に外傷力が働きクラックが生じることも最初のきっかけになる。
この症例はもうかれこれ10数年前のことになる。
この子は今も定期的に来院しているので、途中1回部分補修をしたが、10年以上問題なく経過している。
最近の画像もアップできると思う。
この症例を神経も触らずCRで修復するには超絶技巧を要するので、一般の歯科医師はどうやってやるのか、見当もつかないと思う。
しかし、やっている人間がいるのだから、やればできるはずだ。
通常は神経を取って冠を被せるということになる。それどころか、治療不能につき抜歯を選択する歯科医師も多いと思う。あるいは、部分的に歯髄を取って冠を被せるというのもあるかもしれない。
それはなぜかというと口腔内で直接歯冠を再建する技量はないので、土台を築成し、型取りして外注するしかないからだ。いずれにしても型取りに持ち込めなければ抜歯、型取りできれば冠を被せるということになる。
しかし抜歯も抜髄もすることもなく歯冠を再建することができる。それにはこの程度の歯を作れる技量は必要だし、狭い口腔内でそれをやる技巧も必要だが。
https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202207020000/
今日はレントゲン写真でのbefore/after まで。9年後の画像だ。
神経を全く取らず、こんなことができる。もしこれをできる歯科医師が増えればどうだろうか?
歯科医療に革命が起こるだろう。
右上7
before
after
左上7
before
after