40代男性、左上3、CRの2次カリエス
このシリーズは若い歯科医師が楽に食べていけることを目的としているレクチャー形式の記事だ。
患者も助かるし、是非頑張って欲しい。
CRに限らず虫歯の治療の時、黒くなっている部分をどうするか?完全に除去した方が良いのか?迷う歯科医師も多いかもしれない。そもそもその黒い物質が何なのか?正式には歯学部では習わない(少なくとも僕が学生の頃はそうだった)。
この黒い物質は硫化鉄(FeS)という硫酸塩還元細菌の代謝産物で、これが象牙細管に沈着している。
このFeSは水素イオンの伝導を阻害するので、これがあると虫歯の進行は止まる。
昔から黒い虫歯の進行は遅いと経験的には知られてはいたが、なぜそうなのかは分からなかった。
しかし「
虫歯の電気化学説」では明確に説明できる。
軟化象牙質がなければ、この黒い部分を必死こいてとる必要はない。ただ象牙細管がFeSで埋まっているのでタグができない。接着力は落ちるので、フィニシングライン1mm程度は綺麗に除去してほしい。
画質を4倍に上げているので、細部がよく見えると思う。しっかり観察してほしい。様々な情報が満載のはずだ。
では時系列でどうぞ