カテゴリ:今日の抜歯再植術シリーズ
新規患者さんの受付を再開しました。他院(よそ)で神経の保存は無理で神経を取って被せるしかないと言われたとか、そもそもこの歯の保存は無理だから抜歯するしかないと諦められたケースを主に受け付けています。
ここにメールしてみてください。お困りの歯の自撮り画像があると話が早いです。 mtlabo.400@gmail.com ・・60代女性、右上2、歯根破折、GA、自発痛+ この歯も通常の診断では保存は無理で抜歯するしかないと思う。 しかし、この年になって保存を諦めると次々に歯が無くなっていく。人間の歯の耐用年数は60年と言われているが、この歯だけではない、どの歯も耐用年数を超えているので脆くなっている。抜歯して歯が少なくなると残っている歯への負担が大きくなり、櫛の歯が欠けていく様に次々と抜歯になり急速に咬合崩壊が始まる。だから最初の歯を諦めないことが重要になる。 前回のつづき https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202411020000/ 通常治療ではこの様にバラバラになっている歯根は捨てて、ブリッジや義歯、インプラントを勧められる。 見かけを気にしなければ、何もせず抜けたままと言う選択肢もあるかもしれない。 患者本人から見ても保存可能とは思えないかもしれない 僕の治療方針としてはなるべく保存して、その方の人生最後の日まで自分の歯で食べていただけるようにしたいと言うのがある。 だから諦めない。というか、ある程度歯質や歯根膜が残っていれば保存できない歯はない、と言うのが真実だ。 バラバラになった歯根を再建するに当たって、スーパーボンドの接着力を最大限に発揮させるために接着面は新鮮歯質を確保する。具体的には軟化象牙質やクラックは極力除去すると言うことだ。 4つの破折片の内大きな2つを使って再建する 歯根内部は細菌由来の黒色物質FeS(硫化鉄)で覆われている。ピンク色の根管充填材の周りも黒い。理想とされる緊密な根管充填など垂直加圧法以外には見ることはないと言っても良い。必ず細菌が侵入しPer(棍先性歯周炎)になる。本来神経を取ってはいけないのだ。もちろん歯質が脆くなり破折する。 綺麗にしつつディンプル(エクボ)を付けて剥がれにくくする FeSが象牙細管に染み込んでいるが、健全歯質なら全部削除する必要はない 下準備ができたら再建に入る。既成の金属ポストを使う。ファイバーポストは撓むので接着が剥がれやすい 一挙にスーパーボンドで組み上げる。接着線や欠けている部分も隙間がないように注意する 根尖口やパーフォレーションの穴も丁寧に塞ぐ CRをスーパーボンドの上から築成し形態を整える。完成したら3MIX添加生理的食塩水に浸し、抜歯窩再挿入に備える つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024/11/03 11:21:03 AM
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