50代女性、右下6、Per、歯根破折、頬側GA、咬合痛+、咬合性外傷
レントゲン写真を見るとわかるが、ほとんどの歯科医師は保存は不可能、抜歯するしかないと判断する。
歯根回りは黒くなっており強い炎症が起こっていることが分かる。遠心根は割れているのだが、レントゲンでははっきりしない。近心根には根管治療器具が折れ込んでいる。僕も保存は難しいと思うが、とりあえず延命を図ることにした。
神経を取る治療は上手くいかない遅かれ早かれトラブルが発生し、抜歯になる。平均寿命が80歳を超えている現在、神経を取る治療はやってはならないのだが、ただ、トラブルが発生するまでに10年、20年、30年とかかるので患者もどこで治療したかも忘れているので、歯科医師は救われているという現実がある。人生50年、60まで生きれば上等!という時代の治療法でしかないのだが、未だに世界中の歯科医師は何の疑いもなく100年以上続けている。
患者側から声を上げないと永久に変わらないだろう。
冠除去
縁の部分はFeS(硫化鉄)が付着しているので、隙間ができていたことが分かる。ほとんどの補綴物はこんなものだ。
合着セメントはグラスアイオノマーだが異常に分厚い
メタルコア除去
黒いFeSが付着しているのでメタルコアと歯質との間にも隙間があったことが分かる
虫歯を除去していくと遠心根にクラック(ヒビ)が見える。
精製水練りα-TCP
50%クエン酸水練りα-TCP
ラウンドCRコアにして1週間様子見、つづく