60代男性、右上5、6、7、痛い
前回のつづき
https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202503240000/
7は対合歯がないので放置しようと思ったが、そうもいかず。
食渣が溜まるのでどうにかして欲しいと言うことだったので、どうにか?することにした。
歯周病も悪く器具が歯肉に触れると出血するので注意深く処置を進める必要がある。
エナメル質はペラペラになっても咬合力で破折するまでは残るが、象牙質はそれ以前に溶けてしまってコラーゲン繊維だけが残ってブヨブヨになっている。
これは下のアニメの「
異種金属接触腐食」と呼ばれるものと同じだ。歯質(ハイドロキシアパタイト)は電子は導通しないが水素イオンが導通する「イオン電導性セラミックス」と工業分野では呼ばれていて、イオン化傾向を測ることができる。イオン化傾向は
エナメル質<象牙質だ。だから象牙質だけが溶ける。
http://www.yoshizaki-mekki.co.jp/eigyou/aen/zn.html
露髄しているが失活していないようだった(生きているので出血する)ので、そのままα-TCP+3MIXで覆罩(覆って)CRでカバーし足りないところは即時重合レジンで盛り足した。
歯科業界には露髄しているとか、歯髄の炎症で痛みが出ている場合は神経を取るしかない、という思い込みがあるが、実際にはそんなことは全くない。α-TCP+3MIX+CRを使えば良い。
お食事時には
閲覧注意!
では時系列で修復過程をどうぞ
食渣(ささみ?)が溜まっている
歯肉縁下の処置は出血や浸出液との戦いになる。素早い処置が必要。
露髄部分
α-TCP+3MIXで直接覆髄。念の為抗生剤2回分投薬。
即充w