60代女性、左下6、歯根破折、GA
前回のつづき
https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202505180000/
もう便宜的に抜歯して再建して再植するというのはかれこれ25年以上30年近くやっています。
最初は抜歯してインプラントという選択肢もあったのですが、当地にUターンして開業してからはインプラントは一件もしていません。
理由を考えてみたのですが、抜歯したところに再建した歯を戻すだけですから、簡単でインプラントと予後も変わらないと思ったからです。インプラントは打ちたいところと打たねばならない場所が異なることがままあり、全ての症例に対応できないというのが最も大きい問題点でした。
今日は再建して再植まで
では時系列でどうぞ
3つに割れていたが、
一番大きな破片が問題。ピンク色の根管充填材の周りは黒い。細菌の代謝産物の硫化鉄、細菌が入り放題だったようだ。
根管充填材を除去すると根尖口が見える。これを充填しないと再発する。
穴を開拡する
大きく開拡した。
全部の破片を綺麗にしたが、
別の穴が見つかった。
これは別の根管と根尖口でこれも埋めないと再発する。根管は1本だけではなく何本もあるので、見逃すこともあるし、根管治療が上手くいくわけでもない。最初から神経など取らないのがベストだ。
2本目の根管も綺麗にして開拡しておく。
2番目に大きな破片を張り合わせた。
3個目の破片も張り合わせた。
ポストを入れて歯冠部を修復。コア状で良い。
接着剤がちゃんと入っているか確認する。
洗浄した抜歯窩に再建した歯根を挿入固定する。
包帯して投薬4日。その頃包帯は除去する。