昨夜から実際の定電流駆動アンプの部分的な回路の試作に取り掛かっているが、初めて作る回路なのですんなりいかない。
入力部分というかフロントエンドはプロ仕様でOPアンプ使用の差動入力にしようと思ってはいるが、非反転入力側と反転入力側では得られる増幅度が下図ではR2/R1+1とR3/R1となり同じ抵抗値だと違ってくる。以下のように同じ増幅度にするためには抵抗値を適宜選ぶ必要があるが、これでは差動入力を諦めシングル入力オンリーでいくしかなくなる。
上図の様に反転・非反転増幅器の各出力をCMRR(同相抑圧比)の大きな差動回路で受ければアンバランスを抑圧できるかもと思って予備実験をしてみた。上記の回路図でR1=R2=R5としてシングル入力すると各OPアンプの出力には2倍の出力電位差が生じるが、差動回路で受けるとどうなるか?
実際に作ってみた。以下の画像参照。1ch(黄):非反転側OPアンプ出力、2ch(青):同反転側。
負帰還は2SA818のベースから。
3ch(赤)、4ch(緑)、はそれぞれの差動回路で受けた差動出力の負荷抵抗の電圧で、位相が逆になっているが、100%が10%まで抑圧されている。
ただ差動回路を定電流出力化するとCMRRが悪化することが予想される。定電流アンプは出力からNFBを掛けられないのでトータルNFBに頼れない。それでは定電圧駆動アンプになってしまうから。
部品箱にあった懐かしの2SA818-Y×2。
シミュレーターは操作が苦手なので、実際に作った方が速い。
共通エミッタ抵抗1kΩ、電流帰還抵抗100Ω+1kΩVR、コレクタ抵抗はそれぞれ1kΩ。
差動回路の共通エミッタの調整ボリュームを回すとゲインだけでなく中点電位も変わるので別々に調整する方法を考えないといけない。赤と緑が入れ替わるまで調整してみた。
ゲインは揃ったが。
入れ替えた。ゲインはかなり違う。
フロントエンドのOPアンプのR1=R2=R5のR2を10kΩから1kΩにし、反転側を10倍、非反転側を11倍とするとゲイン差は10%だが、アンバランスは差動回路の抑圧率1/10により1%になるはずだ。オシロスコープのゲインを2.5倍にしても1%の違いはよく分からない。歪み率等は0.1%以下を目指すので、調整を厳密に行えば、この線でいけそうな気がする。
問題はこれだけではなく、非反転側のOPアンプが発振気味で1kHzを過ぎた辺りからゲインが上昇し始め、3MHzにピークがある。要調査だ。
赤、緑のゲインを2.5倍にしてみた。1%だけ緑が小さい(はず)。