20代男性、隣接面カリエス多数
色々訊いてみたら、ストレスで食いしばっているのかもしれない。筋トレだけではないらしい。
とにかく、歯ぎしり食いしばり等の外傷性咬合は歯に良くない。
たくさん虫歯があり過ぎて優先順位の高い崩壊しそうな歯から順番に処置を始めるしかない。若い頃の様に一度に数本手がけることは難しい。一本ずつだ。
今日は前回のつづきで、左上の5番のCR充填治療になる。
レントゲン写真を見ると、連冠するのでインレー修復は難しく、100%の歯科医師は神経を残すのは無理だと判断すると思う。従来法しか治療法の選択肢がなければそうなる。従来法とは根元から歯冠をカットし神経を取って支台を立て冠を装着するということだが、次に訪れるのは根管内感染や歯根破折で抜歯になることだ。
前のミャンマー人の症例では2年後ということになる。
そんなことになるのを先送りするには神経を取らないことが最優先となる。
ではどうすれば良いのかというと、
1、最小限の歯質切削量で済ませるためにトンネリング技法を採用する。
2、露髄を避けるため麻酔は使わず、軟化象牙質を完全には除去せずα-TCPで再硬化させる。
3、辺縁漏洩(漏洩があると軟化象牙質は再硬化しない)を防ぐためにマージン付近は健全歯質を確保しボンディング材の性能を最大化させる。
4、マージンの気泡残留を防ぐためにストリップスは使わず、目視下でCRを充填していく。
一見すると虫歯はないように見える。
両隣接面は大きな虫歯になっている。
スプーンエキスカベーターがDEジャンクション付近まで沈む。
接着マージンの健全歯質を確保したら、
3MIX+α-TCPで覆罩する。
底の方からCRを積み上げていく。
見かけは新品の歯になった様に見えるが、見えるだけだ。次に破折・漏洩等のトラブルが起こったら他院では対処は難しいだろう。
ナイトガードを作ったので上手く利用して欲しい。
ここでの治療はほとんどの歯科医師にとって、どうしてこんなことができるのか分からないと思うのだが、できないことはない。僕がやっているのだから。誰かやってみる方はいないかな?この技術だけで歯科医師としてサバイバルできますよ?