ストリップスを使わない隣接面CR5.3
30代女性、左上4、遠心隣接面カリエス、咬合性外傷メンタル的な問題があり食いしばりが止められない。メンタルの問題は僕の管轄外なのだが、メンタルと歯のトラブルは関係があるように思う。この方には外傷性にクラックが多数あるが(例えば左隣の左上5の遠心の黒ずみ)、破折や大きな虫歯には至っておらず、クラック内部に黒色物質(硫化鉄:FeS)が見える。これは硫化鉄を代謝する硫酸塩還元細菌という嫌気性菌が生息していることを示している。この黒色物質があると虫歯には至らない。僕が提唱する「虫歯の電気化学説」によれば硫化鉄は水素イオンの伝導を阻害するので虫歯にはなりにくいと説明できる。経験的に黒い虫歯は進行が遅いと言われてはいるが、現代歯科医学ではその原因は知られていない。しかし4番は虫歯が白く浮き出て見える。これは象牙質が虫歯で透明性を失っているからだが、これは虫歯が急速進行していることを示している。この急速進行の原因はクラックが広がり好気性、通性嫌気性の酸産生菌が優勢になってきて虫歯内部が酸性環境となり、象牙質とエナメル質の自然電位差による異種金属接触腐食が始まったからだ。白い虫歯は早期の介入(治療)が必要になるエナメル質を開けてみると内部は伽藍堂だ治療過程はいつもと同じなので省略する。辺縁隆線は外した。3MIX+α-TCP1次CR