若い子の歯科治療シリーズ1.54(咬合面う蝕のメカニズム)
まだつづく、これでこの子は最後https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202501110000/14歳女子、左下7、咬合面う蝕、外傷性咬合(開口)まだ萌えてきて2年ほどしか経っていないのに、すでに虫歯!とお母さんも嘆いている。急速進行型の虫歯ではある。唾液検査の結果では唾液の量は少なく、pHは酸性に傾いている、ミュータンス菌の量は多い、とカリエスリスクは高め。寝る前は重そう歯磨きはしているということだったのだが、それくらいでは間に合わないのだろう。この手の虫歯を「フッ素爆発」とフッ素反対派の方は言っているが、そういう問題ではない。電気化学説では単なる象牙質とエナメル質のイオン化傾向の違いによる異種金属接触腐食だ。異種金属接触腐食は酸性環境で起こりやすい。特に歯質は水素イオンの伝導性を持つのでこれが起こりやすい。また開口でこの奥歯しか咬合していないので、機械的なストレスも多い。カリエスリスクはどうしても高くなってしまう。虫歯の進行を抑えるには、いつも口腔内を重そうでアルカリ性にして、咬合性外傷をコントロールするしかない。時系列でアップしてみます。ある程度元の形を留めている軟化象牙質はα-TCPがあると再結晶するのでその部分は残している中心窩には尖っている上顎の口蓋近心咬頭が強く当たるので、咬合調整時には上顎のその咬頭も少し丸く調整した。