薬剤関連顎骨壊死1
薬剤性の顎骨壊死というのがあって、骨粗鬆症、ステロイド製剤の副作用、悪性腫瘍等の治療薬としてビスホスホネート系のボナロンというお薬がよく使われますが、顎骨壊死を起こしやすく、うちでも1年に1症例位は遭遇します。ボナロンの投与を受けた方の歯槽骨を触ってみたことがありますが、あまり出血はせず、弾力が失われて硬くなる印象です。軽石か、もっと柔らかいチョークの様な感じか。壊死した骨は腐骨と言って細菌感染しているのでその部分を外科的に取り除くと治りますが、温存療法という選択肢もあります。一時的にでも休薬すると悪性腫瘍の骨転移が進行してしまうとかそういう症例の場合です。今回は80代女性、左下45、外傷性咬合の症例で、左下5は動揺度3になって自然脱落したのですが、傷の治りが遅かったので大学病院にご紹介して処置をお願いしました。この方の場合痛みはそれほどでもなく多少の違和感がある程度でした。しかもボナロンは1錠しか飲んでいないということでした。結局左下4と腐骨部分を取り除く処置になりました。まずはレントゲン写真を時系列でアップしてみます。2015/12/14左端の2本(4,5)の歯根周りに咬合性外傷によるものを思われる歯槽骨の吸収がみられます。2016/05/02歯根周囲の歯槽骨の陰が薄くなっている。炎症がひどくなっている。特に左端の5番は厳しい。2017/05/24指で引っ張ったら抜けた。ほとんど自然脱落に近い。2017/07/26なかなか治らないので撮ったレントゲン写真。腐骨の形成かもしれない。腐骨部分は分離しようとするので周りが黒く見える。進行度から歯肉ガンではなさそう。2017/12/27流石に3ヶ月後でも治らないとなると腐骨形成と思うしかなく、たまたま僕の歯学部時代の先生がいらっしゃった大学病院の口腔外科にご紹介しました。処置から2年後、よく写っていないが顎骨はスムーズになっている2020/12/232016/02/08鏡像見かけは特に問題はないように見える2017/02/22結局抜くことになる左下45、見かけは問題なさそうに見えるが歯槽骨は垂直性に溶け始めている。歯肉も少し下がり始めている。2028/02/28処置後、縫合糸が見える。2018/03/14処置から1ヶ月経過、傷も治ってきたので、入れ歯を合わせた。