今日のボロボロシリーズ5.3
70代男性、右下6、歯根破折、咬合性外傷(歯ぎしり、硬いものが好き)、金属アレルギーこの方、10年程前にもスルメを食べていて右上1番が根元から破断したので、再植している。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202110100001/ナイトガードはお断りされる。硬いものも何も考えずに食べる。歯には自信があるのかもしれないが、そろそろ咬合崩壊が始まりそうだ。今回は右下6番の歯根の根元が破断した。20年程前に金属アレルギーということで、それまでの金属冠を外して金属フレーム包埋型ハイブリッドクラウンに換装した。神経を取った歯の象牙質は自己修復能力は失われるので劣化が激しく進む。両隣の歯医者がいじっていない歯と比べてみて欲しい。応力が集中する歯茎部から破断する。数日前に取れたということで持参された金属フレーム包埋型ハイブリッドクラウン。歯根の一部がクラウンに付着しているのが見えると思う。歯質がねじ切られている風情だ。レントゲン写真では歯根が分離しているし、Perもある。通常治療では保存不能に付き抜歯の対象になる。誰が見ても保存不能だろう。神経を取った歯の末路だ。両隣の歯医者がいじっていない歯と比べて欲しい。これが現実だ。歯科治療は70歳まで使えるとか想定外だということだ。歯肉を電気メスで除去して健全歯質(とも言えないが)を出す。α-TCP+3MIXを根管口に置く。信じられないだろうが、根管治療はこれだけでOK。CRコア築成過程浅めのピンレッジ孔。過大な側方力で脱離することが前提。フェイルセーフ(fail safe)の考え方だ。現在の工業製品では当たり前のこの考え方は歯科治療では全く考慮されていない。歯科治療の基本コンセプトは100年以上前から変わっていないという恐ろしい現実がある。僕は自分で作ることもあってバイトは採らない。見るだけで十分だ。はっきり言って不正確なバイトテイキングなど邪魔でしかない。歯科技工の作業現場でも同じだ。作成した金属アレルギー対応型ハイブリッドクラウン。受ける咬合力を少なくするために頬舌側輻径を狭くする。試適咬合調整は口腔内で行う。これが最も正確な調整方法だ。口腔外で咬合器を使って製作とか手間に見合うメリットがない。スーパーボンドセット