近未来の根管治療法1.41(ヘルペス性の歯痛?)
僕がヘルペスウイルスが原因とされる症状に向き合ったのは20年近く前で、僕のスピーカーの師匠の河村先生が目眩(めまい)に悩んでおられて、彼からゾビラックスという抗ウイルス薬が入手できないか?という相談を受けた。それはヘルペスの薬で歯科でも入手できるので取り寄せてみた。通常の処方よりも多い量を長期間に渡って飲む必要があるのだが、詳細は忘れたが200mg 100錠入りを2箱取り寄せた。1箱目を飲み切っても治らなかったようだが、2箱目で治ったそうだ。ちなみに通常の処方はヘルペス性口内炎で1日5錠、5日分だ。「めまいは治せる!」という七戸満雄という先生が書かれた本があって、河村先生はこの本を読まれたようだ。レビューを参照していただけると分かるのだが、全然治らない人もいるのだが、治る人の方が多いという印象を受ける。処方はバルトレックス(バラシクロビル)錠 500mg、1日3錠8時間毎、2週間というのが標準らしい。副作用は比較的少ない薬で腎臓代謝なので腎臓が悪くなければ大丈夫だと思う。話は前回に戻るが、https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202412200000/患者から話を聞くうち子供の頃からある痛みの症状で、Perでもなく、咬合性外傷による歯根膜炎でもないとなると、上記の経験もありヘルペスを疑うことになる。通常歯科領域で見られるヘルペス感染症の症状は帯状疱疹、ヘルペス性口角炎、口内炎だが、下顎の6番の感覚神経は三叉神経の下歯槽神経の支配領域の一部なので、最も抹消の6番に限局した神経叢にヘルペスウイルスが取り憑いていることは十分に考えられる。原因不明の歯痛がある場合は後でトラブルが起こる、安易に神経を取るというのではなく、抗ウイルス薬を試してみるのも良いかもしれない。保険診療ではないが。