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テーマ:AOR(111)
カテゴリ:音楽・AOR
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【幻のアルバム?】 AORが好きな私は大学生時代にそれなりに聴いていたが、何しろバイト代の中から当時はLPを買っていたのであまり多くは買えなかった。ところが今回紹介するアルバムは、当時は当然知らなかった。 それが昨今のAORアルバムのCD再発が続いた際に、このアルバムが実はデヴィッド・フォスターの初プロデュース作品というのを知った。AOR界において彼とジェイ・グレイドンがプロデュースした作品はどれもグレードが高くて、この二人なくしてAORは存在しなかったといっても過言ではない。 当時は元ザ・ビートルズのジョージ・ハリスン主宰レーベルのダークホースに所属していた頃だが、27歳のフォスターがこのアルバムをプロデュースしている。だが発売当初はマイナー・レーベルの会社との契約で陽の目を見ることはなかった。その後、フォスターの活躍もあったが、一向にこのアルバムが注目を浴びることはなくAORマニアが血眼になってこのアルバムを捜していたそうだ。 CD化が実現したのは2000年になってからで、やっと長い月日を経て一般のファンの耳に届くことになった。是非、まだ未聴の方には買って損はしない一枚として強くお薦めします。 アルバム名/『Jaye P.Morgan』 ![]() 発売年/1976年、プロデューサー/デヴィッド・フォスター 【このアルバムについて】 残念ながらこのアルバムは「ジェイ・P・モーガン」(レコード会社の案内には1977年となっていますが、CDには1976年と明記されています)のアルバムで彼女のヴォーカルを聴かせる一枚であるが、ファンはこのアルバムの主役は「デヴィッド・フォスター」と見ているだろう。フォスターのアレンジ能力の高さもあり、全体的にメリハリの利いた曲の配置もあって素晴らしい一枚だ。 アルバムには9曲収録されているがライターの顔触れが豪華だ。Closet Man、It All Goes Aroundの2曲でデヴィッド・フォスターが曲作りに関わっている。「It Goes...」は最後の曲に相応しいドラマチックな曲で、彼女のため息も入るなどして夜に聴くとムード満点だ。 他には5曲目のIt’s Been So Longがスティーヴィー・ワンダー作詞作曲でコーラス・ワークが見事だ。2曲目のKeepin’ It To MyselfがAWBのアラン・ゴーリーの作詞作曲でバック・ヴォーカルにビル・チャンプリンが加わる。3曲目のHere Is Where Your Love Belongsはシカゴに在籍することになるそのビル・チャンプリンの作詞作曲。レ二―・ピケットのサックス・ソロが効果的な曲。You’re All I Need To Get Byはモータウン系のアーティストに曲を提供してきたアッシュフォード&シンプソンのコンビの曲。1曲目のI Fall In Love Everydayはジェイ・グレイドンが曲作りに関わる、スピード感とストリングスが美しい。これでグッと一気に引き込まれていく。 【参加アーティスト】 このアルバムの演奏陣やゲストの名前を聞いたら仰天するくらい超一流どころが参加している。デヴィッド・フォスター&ジェイ・グレイドンのエア・プレイの二人、リー・リトナー、レイ・パーカー、デヴィッド・ハンゲイト、ジェフ・ポーカロ、ハービー・メイソン、アーニー・ワッツ、それにバック・ヴォーカルとしてビル・チャンプリン、ケニー・ロギンスらも加わっている。 何故、これほどのグレードの高いアルバムをもっと世に知らしめることが出来なかったのか不思議だ。レコード会社の規模、歌手本人の知名度、デヴィッド・フォスターの当時の知名度不足などが理由であろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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