KINTYRE’S DIARY~旧館

2007/05/31(木)22:13

映画『恋愛睡眠のすすめ』を観て

ヨーロッパ映画(125)

40.恋愛睡眠のすすめ ■原題:The Science Of Sleep ■製作年・国:2006年、フランス・イタリア ■上映時間:106分 ■鑑賞日:5月20日、シネマライズ(渋谷) ■公式HP:ここをクリックして下さい □監督・脚本:ミシェル・ゴンドリー □製作:ジョルジュ・ベルマン □音楽:ジャン=ミシェル・ベルナール キャスト ◆ガエル・ガルシア・ベルナル(ステファン)メキシコから母の故郷パリへ移り住んだイラストレーター ◆シャルロット・ゲンズブール(ステファニー)ステファンの隣人として引っ越してきたが... ◆アラン・シャバ(ギイ)ステファンの職場の同僚で彼に仕事を教える ◆ミウ=ミウ(クリスチーヌ)ステファンの母でステファンを帰国させ仕事と住まいの面倒を見る ◆ピエール・ヴァネック(プシェ)ステファンの勤務先の社長 ◆エマ・ド・コーヌ(ゾーイ)ステファニーの友人 ◆オレリア・プティ(マルチーヌ)ステファンの勤務先の唯一の女性スタッフ ◆サシャ・ブルド(セルジュ)ステファンの勤務先でマルチーヌとコンビを組んで仕事をする 【この映画について】 チャーリー・カウフマン、ピエール・ビズミュートと共に見事アカデミー賞オリジナル脚本賞に輝いた『エターナル・サンシャイン』で記憶の消去という暴挙に至る恋心の不条理を描き、絶大な支持を集めたミシェル・ゴンドリーが初めて単独で書き下ろした本作。 100%プライベートな映画というだけあって、彼の想像力と創造力が遺憾なく発揮されている。「1秒タイムマシン」や「災害論カレンダー」などの奇抜な発想に笑い、手作りのアニメの技を駆使した段ボールの街やTVスタジオといったユニークな発想には思わず笑ってしまう。「バベル」が公開中のガエル・ガルシア・ベルナルが片言のフランス語に苦悩する青年を好演している。その彼の恋人役にはシャルロット・ゲンズブールが英語とフランス語を交えてコミュニケーションを図る役を可愛く演じている。 CG丸出しの映画とは対極に位置する手作り感が妙に新鮮に感じることが出来るかも? 【ストーリー】(ネタバレなし) 心機一転、新しいスタートを切ろうと父と一緒に住んでいたメキシコから、父が亡くなったのを機に母親を頼ってパリにやって来たステファン。 ところが、紹介された仕事は望んでいた本職のイラストレーターではなく、退屈なカレンダーの製版係だったのでがっかり。馴れ馴れしい中年の同僚ギイ、年増の美女マルチーヌなどに囲まれての仕事は気乗りしないステファンだった。とりあえず彼の作品である「大災害」をテーマにしたカレンダーを社長に売り込むのだったが... そんな矢先、アパートの隣りに素敵な女の子ステファニーが越してきて俄然恋愛モードにはいるが、シャイな性格ゆえ隣人である事さえ伝えられない。或る日、ステファンが夢の中で見た事を行動に移した事で、自分が隣人である事がステファニーにばれてしまうのだが... 夢の中でしか思い通りに行動できず、虚しく空回りするばかり。いつしか夢と現実の区別もつかなくなってしまうステファンは、折角ステファニーを恋人と錯覚し求婚するが「恋人は要らない」とあっさりふられる有様。挙句の果てに「70歳になったら、結婚してくれる?」とステファニーにやけくその求婚をするのだった。 ステファンが提唱した「大災害」をテーマにしたカレンダーが顧客間の評判となり成功を収めた。その記念パーティーでステファンはステファニーの手をそっと握り締めるのだが、彼女はその手を解いてクールな男性と踊りだす。ショックのステファンは飲めないアルコールを浴びるように呑み泥酔するのだが、その彼を優しく介抱したのはステファニーだったのだが...彼は気が付かなかった。 さて、ここから先は核心に迫って来るのでポイントだけを書く。 1.ステファンが夢に見るデート・プランとは? 2.ステファンは如何にして夢を現実に変えようとし、それを彼女に伝えようとしたのか? 3.彼女に介抱されたことを気が付かないステファンが彼女に取った態度とは? 4.夢と現実の見分けが付かなくなったステファンは彼女とのある約束を果たせるか? 5.フランス語が拙いステファンがパリでの生活に嫌気が差して思い詰めて出した結論とは? 等を中心に是非公開館は少ないですが映画館でご覧下さい。 【鑑賞後の感想】 昨今のCGばかり使っている映画にこりごりの方にお勧めの映画と言える。ミシェル・ゴンドリー監督の手作り感が全編に行き渡っているところが素晴らしい。まるで学生の自主制作映画のようなノリが随所に見られる。 第一夢の中の出来事を再現するシーンなんてCGでさらっと再現するであろうが、この監督はそうしたことを一切しない点が気に入った。まるでミュージック・ビデオを見ているかのような錯覚さえしてしまった。とここまで書いたことで気になった方は、是非、「公式HP」をクリックしてご覧になると分かると思います。 公開館が限られているのは残念ですが、所謂、フランス映画らしくないのはセリフが全編フランス語より英語の部分が多いことでも分かる。「バベル」で注目のガエル・ガルシア・ベルナルの好青年ぶりの演技と、シャルロット・ゲンズブールの可愛さと(胸が小さいとバカにされるセリフがあった)フランス訛の英語のセリフも多いのだ。ベルナルのフランス語がどうなのかは言えないが、そうしたぎこちなさを敢えて強調しているのもこの映画の面白さだとおもった。 映画館で観るのは難しい人にはDVDかケーブルTVで放送されたときに観てもらいたい。 【自己採点】(100点満点) 83点。手作り感を強く感じる映画でした。 ←是非クリックして下さい 人気blogランキングへ←是非クリックして下さい

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