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KINTYRE’S   DIARY~旧館

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2007.11.21
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カテゴリ:ヨーロッパ映画
84.ヴィーナス
■原題:Venus
■製作年・国:2006年、イギリス
■上映時間:95分
■日本語字幕:松浦美奈
■鑑賞日:11月03日、シャンテシネ(日比谷)
■公式HP:ここをクリックしてください
ヴィーナス.jpg
□監督:ロジャー・ミッシェル
□脚本:ハニフ・クレイシ
□製作総指揮:テッサ・・ロス
□製作:ケヴィン・ローダー
□撮影:ハンス・ザンバーラウコス
□美術:ニック・ガスター
□プロダクション・デザイナー:ジョン=ポール・・ケリー
□衣装デザイナー:ナタリー・・ウォード
□歌:コリーヌ・・ベイリー・レイ
□音響:エディ・シモンセン、クリスチャン・エイネス・アンダーセン
□メイク:シャルロッテ・ラウステン
キャスト

◆ピーター・オトゥール(モーリス)70歳を超えた現役の俳優だが死体の役ばかりで嘆く
◆レスリー・フィリップス(イアン)モーリスの俳優仲間で親友
◆リチャード・グリフィス(ドナルド)モーリス、イアンの仲間で話し相手
◆ジョディ・ウィテカー(ジェシー)イアンの姪で一時的に同居することになる
◆ヴァネッサ・レッドグレーヴ(ヴァレリー)モーリスの元妻。モーリスは度々彼女の元を訪れる

【この映画について】
老いて尚セクシーな「アラビアのロレンス」などの演技で名声を高めた、名優ピーター・オトゥールは本作で8度目のアカデミー賞ノミネートを果たすも、またしても受賞を逸した。
老後の孤独と悲哀、人生における生と性への執着を自然に演じる演技力は彼ならではの枯れた味わいがある。
を固める共演者にも演技派が揃った。レスリー・フィリップス、「ハリー・ポッター」シリーズでハリーの意地悪なおじに扮したリチャード・グリフィス、モーリスの元妻にヴァネッサ・レッドグレーヴとかつての名の通った顔ぶれが揃う。
【ストーリー】(ネタばれなし)
70代の俳優モーリスは今や日課となっている朝食を近くのカフェでとり、親友で仲間のイアンやドナルドらと語り合うのが何よりの楽しみだ。
モーリスはイアンから姪のジェシーがアパートに暫く滞在し、身の回りの世話をしてくれると期待に胸を膨らませる。そんなイアンの様子を覗きにモーリスがイアン宅を訪れるとイアンの期待とは正反対だったジェシーに幻滅したイアンがそこにはいた。女好きのモーリスはジェシーに興味を示し自己紹介をするが、ジェシーはポテトチップを抱えてTVを観ているだけだった。
翌日モーリスは元妻のヴァレリー宅を訪ねて映画出演で稼ぐ僅かな現金を持っていき、彼のかつて出演していた映画の話などに花が咲く。モーリスは前立腺の不調から自分に死期が迫っていのを感じて、ヴァレリーに感謝の気持ちを述べるのだった。
モデル志望のジェシーに対し、モーリスは美術教室のヌードモデルの仕事を持ってくるがそれは当日まで知らせなかった。服を脱がないと言うジェシーにモーリスは「女性の裸身の美しさは何も恥らうことではない」という事を教えるためにジェシーを美術館に連れていく。そこでモーリスは彼女に一枚の名画を見せた。モーリスは彼女にそこから何かを感じてもらいたかったのだ。
モーリスとジェシーは世代を超えて2人で度々出かけるようになるが、そこはやはり世代の年齢差からちぐはぐなハプニングもありながらも何とかお互いを理解出来るようになってきた。
ある日モーリスはジェシーの恋人とつかみ合いの喧嘩が原因でモーリスは入院し、モーリスの衰弱は一気に加速していった。入院先でモーリスが思わず呟いた人の名前は以外にも元妻のヴァレリーではなく...。
ジェシーはモーリスの最後の願いを叶えるために、モーリスが育った土地の海辺へ電車で行くのだった。波打ち際を歩いて腰掛けた直後モーリスは...。
さて、ここから先は核心に迫って来るのでポイントだけを書く。
1.イアンは具体的に姪のジェシーに何を期待していたのか?
2.元妻のヴァレリーはモーリスにどういう気持ちを抱いているのか?
3.モーリスがジェシーに美術館で見せた一枚の名画とは?そこに隠されていた彼女への思いとは?
4.モーリスが入院先で思わず呟いた「人物」の名とは?
5.ヴァレリーが最後にジェシーに申し出た願いとは?
6.ジェシーはモーリスに連れられて鑑賞した名画から感じたことをモデルの仕事に活かせるのか?

などを中心に映画館かDVD発売時にご覧下さい。
【鑑賞後の感想】
かつては主役クラスの俳優だったモーリスは、今では死体役や死を迎える役しか与えられなくなったが今でも現役の俳優。
そして老いても若い女性への関心は失わない面も持ち合わせている。そんな折に、親友の元に若い姪が滞在することになり胸を躍らせる。所がこの姪のジェシーは今時の若い女性の展開みたいな性格の持ち主で、モーリスもイアンも手を焼く。ここでモーリスは元来の女好きと過去の経験から、この若い女を何とか手なずけようとあの手この手を尽くす姿はどこか滑稽だった。
そのモーリスが真剣にジェシーを一人前にしようと美術館で名画を鑑賞させたシーンはこの映画の見所だ。モーリスが何を言いたかったのか、ジェシーはその時は直ぐに理解出来なかった。それでも映画のラストシーンでそれが実ることになるのだが、モーリスはこのシーンを天国からみていたらニンマリとしたことだろう。
そんなモーリスを名優ピーター・オトゥールはまるで彼がモーリスそのもののように演技をしているように思えないほど役柄を理解していたのは流石だった。
【自己採点】(100点満点)
86点。ピーター・オトゥールはその生涯で主演男優賞を受賞出来る日が来るだろうか?それにしても8回のノミネートは凄い!

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Last updated  2008.12.29 09:26:42
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