KINTYRE’S DIARY~旧館

2007/12/30(日)11:49

映画『4分間のピアニスト』を観て

ヨーロッパ映画(125)

95.4分間のピアニスト ■原題:Vier Minuten(英題:4 Minutes) ■製作年・国:2006年、ドイツ ■上映時間:115分 ■鑑賞日:11月24日、シネマGAGA(渋谷) ■公式HP:ここをクリックしてください □監督・脚本・共同製作:クリス・クラウス □製作:メイケ・コルデス、アレクサンドラ・コルデス □撮影監督:ジュディス・カウフマン □衣装:ジオイア・ラスペ □編集:ウタ・シュミット □音楽:アネッテ・フォックス □美術:シルケ・ブール □メイク:スザンナ・サンチェス □音響:アンドレアス・ルフ キャスト ◆ハンナー・ヘルツシュプルング(ジェニー・フォン・レーベン)ピアノに天賦の才能を持ちながら刑務所生活を送る ◆モニカ・ブライブトロイ(トラウデ・クリューガー)ピアノ教師として刑務所を訪れジェニーと出会う ◆ステファン・クルト(メイヤービアー刑務所長)刑務所内にピアノを置くことを許可する ◆スベン・ピッピッヒ(ミュッツェ)ジェニーが危害を加えた看守 ◆リッキー・ミューラー(コワルスキー)ジェニーを常に監視し同僚が危害を加えられたことで敵視する ◆ヴァディム・グロウナ(フォン・レーベン)ジェニーの養父 【この映画について】 本国ドイツで大ヒットを記録、世界各国の映画祭で話題を振りまいてきた。天才的なピアノの才能を持ちながら、刑務所内で過ごす少女と彼女の才能を開花させることに全てを賭ける老女との物語である。 オーディションで1200人の中から選ばれた新人ハンナー・ヘルツシュプルングは、手負いの獣さながらに牙を剥くが、モニカ・ブライブトロイは、火の玉のような少女を上回る執念と大胆さを見せる。そんな2人が火花を散らす様を珠玉の音楽と共に描き出すのは脚本家としても活躍する監督クリス・クラウス。ラストの「4分間」の演奏シーンは圧巻で最高の見所である。 【ストーリー】(ネタバレなし) ピアノ教師として刑務所を訪ねるトラウデ・クリューガーは、まさか刑務所で天才ピアニストと出逢うとは考えてもいなかった。 彼女の名前はジェニー・フォン・レーベン。他を圧倒する才能を持ちながらも、過去の悲しい出来事から進路を誤り今では目標を失っている。クリューガーはそんなジェニーの豊かな才能に注目し、その才能を何とか開花させることが人生の残りの目標と決意した。 所長を説得し、特別レッスンを看守監視の中で始める。所長は当初は渋っていたがクリューガーの説得で何とか許可に漕ぎつける。 彼女を天才ピアニストとして養成するために引き取った養父のもとで、幼い頃から多くの国際コンテストに出場し受賞し神童と騒がれながら愛を知らずに育ったジェニー。初めて愛した男性を若くして亡くして以来、ひたすら音楽にのめりこんできたクリューガー。 激しい性格で他人を寄せ付けないジェニー、彼女の才能の豊かさから高いレベルでの演奏を求めるクリューガー。レッスンは看守コワルスキーが彼女を敵視することもあって思ったように進まない。 ある日、養父レーベンの差し金で刑務所に新聞記者が訪れ、彼女が手錠をかけたまま見事な演奏を披露する。呆気に取られる記者を横目に、クリューガーはジェニーが即興で弾いた曲がクラシックの枠を著しく逸脱していたことに怒りと嫌悪感を覚え激しく叱責する。 コンテストの予選に出場するために刑務所を出るが、極度の緊張からトイレで鏡を殴打し負傷するアクシデントもありながら、彼女の出来は素晴らしく他の参加者を圧倒していた。 精神的に不安定な彼女は帰り道に病院に立ち寄るが、そこで衝動的に逃走を図るが失敗に終わる。追いかけてきたクリューガーに、ジェニーは自分が何故刑務所に来ることになったのかを告白するのだった。 この告白を機に二人の絆は固くなり、ジェニーもクリューガーに心を開いていくようになる。そして予選を勝ち上がり決勝の前にクリューガーの自宅をレーベンが訪れた。 さて、ここから先は核心に迫って来るのでポイントだけを書く。 1.クリューガーは所長を如何にして説得したのか?その時の殺し文句は? 2.ジェニーが背負ってきた悲しい過去とは? 3.レーベンが調べたクリューガーの経歴とは? 4.ジェニーは果たして決勝の舞台の大ホールでその腕前を披露することが出来るのか? などを中心に是非ご覧下さい。 【鑑賞後の感想】 この作品はクリューガーとジェニーがピアノレッスンを通して正面からぶつかることで生じる様々な出来事が中心だ。 そもそもクリューガーが偶然に刑務所内でジェニーの豊かな才能に気が付いたことから始まるが、所長にレッスンを許可するように仕向けたクリューガーの熱意が勝った。 老獪なクリューガーを持ってしても、ジェニーの激しい性格は扱いづらいがそれでも彼女の才能を何とかした開花させることが、自らの人生の集大成と決めていただけにクリューガーはくじけなかった。 このジェニーを演じたハンナー・ヘルツシュプルングとモニカ・ブライブトロイの演技は対照的だが素晴らしかった。特に、ハンナー・ヘルツシュプルングはジェニーが彼女に乗り移ったかのような演技だった。この二人の名演技なくしてこの映画はここまでの評価を得られなかっただろう。 願わくば二人の生い立ちみたいなサイドストーリーをもう少し膨らませたら面白かったと思う。 【自己採点】(100点満点) 73点。サイドストーリーとして二人の過去か当時の社会情勢かをもう少し盛り込めば点数は上がったかな? ←映画「4分間のピアニスト」のブログ満載! ←西武ライオンズのことならここ ←「プロ野球、メジャーリーグ」関係の情報満載 人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク

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