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テーマ:邦画を大いに語ろう!(83)
カテゴリ:映画・邦画
69.百万円と苦虫女
■製作:日活 ■製作年・国:2008年、日本 ■上映時間:121分 ■鑑賞日:8月2日、バウスシアター(吉祥寺) ■公式HP:ここをクリックしてください ![]() □監督・脚本:タナダユキ □エクゼクティヴ・プロデューサー:馬場清 □プロデューサー:木幡久美、田中正 □編集:宮島竜治、菊井貴繁 □照明:石田健司 □撮影:安田圭 □録音:白取貢 □美術:古積弘二 □スタイリスト:申谷弘美 □主題歌:原田郁子
【この映画について】 存在感が希薄で、人との付き合いが苦手で家族とさえ距離を置くことで自分を守る主人公・鈴子は、見知らぬ町から見知らぬ町へと引っ越しを繰り返しながらさまざまな人と出会い、人間の嫌な面だけでなく、温かい部分にも触れながら成長していく。 そんなヒロイン像を等身大で自然に演じる蒼井優の演技は素晴らしい。鈴子が逗留先で知り合う人々のキャラは、特に目立ちすぎず、ほどよい味付けになっていて常に主役を引き立てている。ちょっとホロ苦いが救いのあるエンディングにも注目したい。 【ストーリー&感想】 短大を卒業後、フリーターをしている鈴子は、バイト仲間からルームシェアを持ちかけられて実家を出る事にした。 しかしひょんな事から事件に巻き込まれ、警察沙汰に。前科者になってしまった鈴子は、「百万円貯まったら出ていきます」と家族に宣言し、バイト掛け持ちで懸命に働く。 やがて実家を出た鈴子は、とある海辺の町にたどり着く。海の家で働き始めるが、貯金が百万円貯まると、あっさり次の土地を目指して旅立つのだった…。 そんなこんなで百万円溜まると予告なく次の土地を目指して当てもなく旅立つ鈴子。映画としては明確なストーリーがあるようで無い様な不思議な一種のロードムーヴィーとも解釈出来る。 こういうタイプの主人公って最近の若い女性に多いのだろうか?そうだとしたら鈴子を演じている蒼井優はまさにはまり役と言えるし、どこか何を考えているか分からず遠くを眺めているような表情は上手かった。 そんな彼女の落ち着き先のアルバイト仲間である男性が彼女に惹かれていくという設定も面白かった。彼女は土地や人間・異性関係に執着しないタイプなのに、彼女に出会った男性は彼女に惹かれていく。それも若い男性だけでなく中年以上の男性も彼女の個性に魅了され、また、彼女の気まぐれな態度に振り回されているのが可笑しかった。 で、ラストシーンの彼女は...また、放浪を繰り返すのか男性を翻弄するのか気になりました。 脚本と監督の演出の上手さと蒼井優の演技力が結集した作品でした。 【自己採点】(100点満点) 79点。
Last updated
2011.02.13 21:30:54
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