KINTYRE’S DIARY~旧館

2011/01/09(日)12:05

映画『アメリア-永遠の翼』を観て

アメリカ映画 2010~(15)

10-76.アメリア-永遠の翼 ■原題:Amelia ■製作年・国:2009年、アメリカ ■上映時間:111分 ■字幕:栗原とみ子 ■鑑賞日:12月1日、新宿武蔵野館(新宿) ■料金:1,000円 スタッフ・キャスト(役名)□監督:ミーラー・ナーイル □脚本:ロン・バス、アンナ・ハミルトン=フェラン □音楽:ガブリエル・ヤレド ◆ヒラリー・スワンク(アメリア・イアハート) ◆リチャード・ギア(ジョージ・パットナム) ◆ユアン・マグレガー(ジーン・ヴィダル) ◆クリストファー・エクルストン(フレッド・ヌーナン) ◆ジョー・アンダーソン(ビル) ◆チェリー・ジョーンズ(エレノア・ルーズベルト) ◆ミア・ワシコウスカ(エリノア・スミス) 【この映画について】 大恐慌によって米国全体が疲弊していた時代、夢と希望という最大のカンフル剤で人々を元気づけた女性パイロットの第一人者アメリア・イヤハートの半生を描いた本作。 ガッツのあるヒロインをやらせれば右に出る者なしの2度のオスカー受賞女優ヒラリー・スワンクが主演だけでなく、自ら製作総指揮も買って出るほど惚れ込んで完成させた力作である。 自由を愛する妻を待ち続ける献身的な夫役にリチャード・ギア、不倫相手のパイロット役にとびきりハンサムなユアン・マクレガーら豪華キャストを揃え、アメリアが最も愛したエレクトラ機を復活させ、メガホンをとったのは『モンスーン・ウエディング』『その名にちなんで』のミーラー・ナーイル。 (この項、gooより転載しました) 【ストーリー&感想】(ネタバレ含みます) 1928年6月18日、アメリカ全土が勇気ある1人の女性に熱狂していた。アメリア・イヤハート、世界で初めて大西洋を横断した女性だ。その姿を一目見たいという人々の願いに応えて、彼女は講演会やCM出演に駆け回る日々を送っていた。 リンドバーグの本を出版したジョージ・パットナムが広報担当を引き受け、彼の提案で、初の著書も出版。 アメリアの夢に魅せられたジョージは、やがて彼女自身にも心を奪われ、2人は恋に落ちる。とはいえ、空を飛ぶことに人生を捧げたアメリアは、結婚は自らを縛るものとしか考えていなかった。 だが、ジョージが愛しているのは、空への夢を追う自分であると知ったアメリアは、「もし1年立っても、夢を追う自分との結婚に幸せを見いだせないなら離婚する」との約束で彼のプロポーズを受ける。 彼女の次の夢は、乗客としてではなく自ら操縦桿を握り単独大西洋横断をすること。1932年5月20日、着陸予定地のパリ郊外のル・ブルージェ空港には歴史的瞬間を目撃しようと多くの群衆が駈けつける中、翌日、アメリアは牧草地に着陸した。そこはアイルランドで、世界中がその偉業に熱中した。 その後も数々の新記録を打ち立て、ついにアメリアは世界一周飛行を決意する。その為の、資金集めに、彼女はCMや講演への出演などが続く日々を送った。そんな多忙な生活を癒してくれたのは、パイロットのジーン・ヴィダルとの友情の一線を越えた関係だった。 1937年6月1日、この世界一周を最後のフライトにしようとの決意を胸に秘めてマイアミを出発し、順調に南アメリカ~アフリカを横断しアラビア半島からアジアへと入り、途中インドで悪天候に見舞われるが、ニューギニアに辿りついた。そこで、ジョージと最後の交信をするアメリア。 しかし、ニューギニアを出発すると、次は広大な太平洋を渡る、今回のフライトの最大の難所が待ち受けている。途中、燃料補給でハウランド島という小島に立ち寄る予定だったが、この島は洋上の小島で、その発見には優秀なナビゲーターであるフレッド・ヌーナンが頼りだった。だが、悪天候で視界は悪く、フレッドも地図を頼りに必死にこの小島を探そうとするが...一方、既に到着時間を過ぎ米軍の管制との通信も周波数を聴きとれず、焦りは募るばかり。 映画はアメリアのフライト機が交信を断ち、米軍の管制官らが何とか通信を試みる必死の様子を追う場面で終了。後は、字幕でこの後、どうなったかをなぞってエンドロールへと突入。 彼女とジョージの絆を強調しながらも、彼女が女性の地位や社会進出が遅れていた時代に、強い意志を持ってそんな女性達に勇気を与えたかを描いていた。 アメリア・イアハート(劇中では「エアハート」発音していた)は、アメリカでは知らない人が居ないとも言われるレベルの実在の人物で、ヒラリー・スワンク自身もこのキャラに対する思い入れが強く自らも「製作総指揮」に名を連ね、実際のアメリアに近付こうと仕草や外見も似せようとリサーチを続けていたそうだ。 「P.S.アイラヴユー」のようなロマンチックものより、やはり、彼女には強い女性を演じている姿が一番似合っている。 映画としては彼女がこの作品で3度目のオスカーを目指すのではないかという野心を多少感じるのだが、アメリアが一躍有名になるとCM出演などで多忙になったり、同じパイロット仲間のヴィダルとの関係にジョージが嫉妬するなど、有名になったことで生活に不自由さを感じ始めたのは、今のハリウッド映画界と似ている。 共演者では夫ジョージ役のリチャード・ギア、有名になった女性を妻として、自らは「広報兼夫」としての立場で野心的に彼女を広告宣伝材料として売り出すことに成功する。最後は、「夫」として妻アメリアの危険な世界一周に複雑な気持ちを抱きながらもサポートする。 ヒラリー・スワンクとしては、実在の人物に扮することで相当のプレッシャーを感じていたそうだが、相手役に彼女のあこがれの俳優でもあったリチャード・ギア起用で、そうした気分もほぐれたようだが、実際の夫婦もこんなに年齢差があったのかは知らないが、スワンクとギアは25歳の年齢差あるので、どうしても夫婦と思えないような感じがしました。 印象に残ったセリフが、アメリアがジョージと結婚する前に彼の事務所で、何故あなたは空を飛びたいのか?と質問されて、彼女が答えた言葉はシンプルに「自由になりたいから」(i wanna be free)と語る場面(予告編の15秒辺りに出てきます)。 この一言にこの時代の女性の本音が集約されていて、彼女のフライトのテーマとしてもインパクトが強かった。

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