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遺言文案ができ依頼人も同意したので、いよいよ公正証書遺言作成の日程を決めます。いつにしたらよいか、本当はあまり間隔をあけたくないところですが、依頼人は気後れしたか2週間後のある日にしたいといいます。とくに何かの記念日や縁起のよい日を選んだわけでもなさそうです。別に問題もないので私はそのまま日程を公証人に伝えました。
当日、依頼人は奥様と連れ立ってやってきました。年老いた体の小さいご夫婦が互いをいたわるように手をつないで歩いてくるお姿は失礼ながらなんともかわいらしい。長年、夫婦として助け合い、苦しい時も共に耐えて今、寄り添うこのお姿を我がバカ女房に見せたかった。しかし愛情を注いで育てた息子に裏切られたことへの寂しさは表情にありありと現れていました。 私が案内をしてビル6階にある公証役場の入口ドアから入り、待合テーブルの椅子に座りますが、緊張した老夫婦の面持ちを見て孫のような女性事務職員がよくいらっしゃいました、と笑顔でお茶を差し出してくれます。そして公証人も事務室の端にあるデスクでこれから行なうことの書類を準備しながら、2人に向って人なつっこそうな声で挨拶をします。この人なつっこそうな言い方がこの公証人の性格を物語っています。だからこの公証人さんは人気があるのです。 いよいよ作成に入ります。ここからはまた次回といたしましょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年07月16日 20時06分44秒
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