北海道庁のブログ「超!!旬ほっかいどう」

2019/03/26(火)14:41

北海道の若者が海外で研鑽しています!

国際交流(280)

​こんにちは。 総合政策部政策局総合教育推進室です。 ​​​若者の海外留学を官民挙げて支援する​「ほっかいどう未来チャレンジ基金」​により留学中の星野さん(北海道大学)から、2月の活動の様子が届きました。​​​ 星野さんは種子ビジネスの発展が期待されるキルギスに留学し、種子生産やその輸出入について学んでいます。 ほっかいどう未来チャレンジ基金HP http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/sky/mirai-jinzai.htm ほっかいどう未来チャレンジ基金Facebook https://www.facebook.com/mirachalle/留学開始から2カ月は、主に農協が加盟している「キルギス協同組合連盟」で活動しました。2カ月目となる2月は組織体制などについて話を聞くとともに、仕事も任せてもらうことが出来ました。 キルギス語の勉強では、日本語を学んでいるキルギス人の集まる日本センターへ行き、彼らの「日本語プレゼンテーション会」に参加してきました。数か月後にこの場を借りて北海道のことを紹介させてもらう予定です。ホームステイでは、北海道のPRをするため、今までお世話になったホストマザーの友人たち6名を自宅に招き、北海道のちゃんちゃん焼きといももちなどを作りました。   2月の活動の中で、学んだことは以下の3点です。 1つ目は、連盟に加盟している多くの農協が、家族や親族で集まっただけの経営体を農協と呼んでいる現状です。現在連盟がJICAでの農協調査プロジェクトの立ち上げのための計画書を作成中なのですが、その一部分の執筆(日本語と英語)を任せていただけたので、データの整理と連盟の会長への聞き取り調査を行ったことで、この現状を知ることができました。   現在連盟には229の組織(単協や連合会、農業コンサルタント会社も)が加盟していますが、このうちの半分以上がそのような組織となっており、現在は何も事業をしていないということでした。調査を進めると、これらの組織は2003~2007年に海外支援機関のプロジェクトに参加することを目的に設立されたものであることが判明しました。 先に資金援助が来てしまう場合に、どこの途上国でも共通していることかもしれませんが、現地に本当に必要なものを把握する前にこちらの概念を押し付けてしまうのかもしれません。キルギスの農村の現状については、連盟を始め農業省やJICAの事務所や専門家など多くの人が知りたがっているため、頑張って把握したいと思っています。今後、農村の現状を共有させてもらう場を提供していただける見込みです。 2つ目は、国内農業の発展に「自給率」という概念が薄いことです。日本に居たときには、生産量や品質が確実でない場合は比較的融通の利く国内の販売先や、品目を多様にしてリスク分散ることを第一に考え、そのあとに海外輸出という選択肢が出てくるように思っていたのですが、連盟の動きを見ていると、キルギスの単協あるいは連合会がいきなり海外に打って出る場合があります。 これは、人口が少なくそもそも市場規模が小さいこと、その市場もすでに輸入品で充実していること、GIZ(ドイツの国際協力機関)などによる影響で作った作物は、国内よりも海外に向けて作られるものが多いため、その流れのまま海外に向けて生産していることなどが挙げられます。また、途上国(現在の一人当たり年間GDPは約1200ドル)ということもあって、自給している農家が多いことも要因としてあると思われます。 実際の海外との取引は各地域の連合会が行っているため、どのくらいの量が動いているかはまだ把握できておらず、農家経済に占めるこれらの存在の大きさもこれから調べるところでありますが、陸続きで物が出るも入るもダイナミックな点が、これから発展していく国の特徴かと思いました。 最後に、海外輸出先を連盟がつなぐことの役割の大きさです。まず、輸出先を見つけるのは、ロシア語(旧ソ連・キルギスの公用語)または英語の通じる国で、インターネット販売(国際的なサイトがある)か大使などとの外交を通じて得た展覧会の機会で見つけています。 現段階は、イシククル有機農協ではロシアでの商品販売の話を進めているほか、クウェートやインドでの展示販売会に飛行機で200~300kg程度のものを持って行ったという段階で、まだ実際の販売がうまくいった実績についての話は聞きませんでした。その中で連盟は、展示会等で必要となる商品のパッケージデザインと認証取得(ユーラシア経済連盟の「EAC」など)、規則に則った機能性の表示等の役割を担っています。 次の所属先は、ドイツやモンゴルに輸出実績のある連合会「イシククル有機農協」なので、地方にある一連合会がどのように輸出条件を満たしたのか勉強してきます。  

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