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大月みどり

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2023年11月30日
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カテゴリ:資料館


こんにちは、資料館です。
百蔵山の麓にある下和田の春日神社へ行ってきました。
猿橋駅から徒歩でおよそ30分。
桂川にかかる宮下橋、葛野川にかかる百蔵橋を渡るまでは平坦、もしくは若干の下り勾配ですが、そこから先はかなりの坂道を上ります。
高低差は70mほどですが、歩き慣れていないと結構きつく感じます。
車で行かれる方は春日神社の西に駐車スペースがあるのでそこを利用するといいでしょう。

さて、春日神社の朱塗りの立派な鳥居。
控柱を持つ、明神鳥居系の両部鳥居という形式です。
「春日宮」と書かれた扁額が掲げられています。
右脇には由緒書きの案内板。
内容は次の通り。



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春日神社

鎮座地  大月市七保町下和田字東梨木戸一二二五番地
​■​​神  天児屋根命(アメノコヤネノミコト)、同姫大神(ドウヒメオオカミ)、武甕槌命(タケミカズチノミコト)、経津主命(フツヌシノミコト)、相殿建御名方命(アイデンタテミナカタノミコト)
​​​​社  疱瘡(ホウソウ)神社、八幡神社、稲荷神社

由緒・沿革
当初大同三年(八〇八)七保町下和田百蔵山頂に「百蔵山(モモクラサン)春日大明神」と称し鎮座。
徳治元年(一三〇六)に山火事にて社殿炎上、その後文和二年(一三五二)山火事を恐れて神慮を伺い、東梨木戸の現在地に御選座し、本殿は享保五年(一七二〇)に改築されたものと社記に云う。
現在の本殿は文化六年(一八〇九)に新築、外壁彫刻は天保二年(一八三一)に施されたもので、文化財級の見事さで知られている。
拝殿は昭和一四年(一九三九)に新築されたもの。

元旦祭  一月一日
例祭日  七月吉日
新嘗祭  十一月二十三日
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神様の名前に仮名(カナ)がふってあります。
また和暦には西暦も併記してあります。
読み手に優しい案内板です。
この案内板に書かれた内容に沿って、春日神社を数度に分けて紹介していきます。
ただし順不同です。

まず初回は、祭神からです。
祭神として5柱の神が祀られています。
そのうち、天児屋根命、同姫大神、武甕槌命、経津主命の4柱は、総称して春日神(かすがのかみ)と呼ばれています。
そう、あの有名な奈良県奈良市の​春日大社と同じ神様です。
というか、この下和田春日神社は、春日大社を総本社とし、分霊した春日神を祀る全国各地にある分社のうちの一つです。
ただ、春日大社と違うのは4柱の並び順。
春日大社の方は、祀られた順の並びで、武甕槌命、経津主命、天児屋根命、同姫大神となっています。
この違いの理由については残念ながらどこにも書いてありません。
手掛かりは、それぞれの神様の神話と性格、ご利益にあるのかもしれません。
武甕槌命、経津主命の2柱は「国譲り」の際の軍神で、主たるご利益は勝負事。
天児屋根命は、天の岩戸の前で祝詞を奏上した言霊の神で、主たるご利益は国土安泰。
同姫大神は、特定の「同姫大神」という名の固有の神ではありません。
「同」は直前の語句を受けて、「この」または「その」という指示代名詞。
そして、「姫」は妻や娘を指します。
つまり、天児屋根命の妻である神様で、ご利益は夫と同じ国土安泰、そして夫婦であることから子孫繁栄か?
それぞれの神様についてもっと深堀りしたい人はグーグル先生に聞いてみてください。
ご利益から考えると、分社の場合はその地域の人にとって切実なものが上位にきます。
すると、勝負事よりも日々の生活の安泰が一番の関心事になります。
国土安泰。
つまり、天変地異が無く、五穀豊穣、子孫繁栄、夫婦和合が何よりも大事。
ということから、天児屋根命、同姫大神が上位にきて、武甕槌命、経津主命と続くのだと思いますが、いかでしょうか。
さて、5番目の神様の相殿建御名方命。
「相殿」とは同じ社殿に2柱以上の神を合わせて祀ること。
つまり、神名は建御名方命です。
国津神の建御名方命は「国譲り」の際に、天津神の武甕槌命と闘い、敗れた神です。
​ちなみに、建御名方命は武田信玄が崇敬した​諏訪大社​​の主祭神です。​
ライバル同士が同じ屋根の下に祀られているのはどうしてなのでしょう。
ノーサイドの精神からなのでしょうか?
また、一つハテナが増えてしまいました。

※次回予告
「百蔵山(モモクラサン)春日大明神」についてです。

※おまけ
山梨県神社庁の下和田春日神社の紹介文は​​​ここ​です。






最終更新日  2023年12月01日 10時13分42秒
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