琥珀色に輝く古酒
議会事務局長の洞田です。私が住む地域にある、日本酒の蔵元をご紹介いたします。達磨正宗の銘柄で知られ、特に最近、古酒で注目を浴びている白木酒造さんです。岐阜市の北東部に位置する三輪地域にあります。※正式名称:白木恒助商店(住所:岐阜市門屋門61)正面にある看板には、創業天保6年と表示されていますので、1836年に創業された・・・ということは、174年もの歴史がある蔵元です。ここでは、小売りもしていただけます。もちろん利き酒も!!中に入ってみると、ここで作られている、清酒や古酒などが所狭しと並べられています。中でも目を引くのが、古酒です。この蔵には昭和46年の古酒もあるそうですが、昭和50年からのものが並べられていました。普通、日本酒というと無色透明のものを思い浮かべますが、ここに並べられている古酒は、いずれも黄金の色や琥珀色をしています。日本酒のイメージを覆すその輝きに、思わず心を奪われるほどです。この色は、日本酒に含まれるアミノ酸と糖分が、長い時をかけて醸し出した自然の色だそうです。お酒の成分の微妙な違いにより、その色にも違いが出てくるそうですが、一般的には、長い時を経たものほど、濃い褐色を帯びてくるとのこと。ご覧下さい。赤ワイン・白ワインと言われても疑いませんよね。 そもそも、日本酒の古酒は、かなり古い時代から飲まれていたようです。鎌倉時代の古文書には日蓮上人が女性信徒から贈られた古酒に対して礼状を出したというエピソードが紹介されていますし、元禄年間の古文書にも、長期熟成された古酒はその澄み切った濃い褐色に輝き、のど越しはすっきりした風格のある酒だったことがうかがえる記述があるようです。また、江戸幕府の大奥でも飲まれていたというような記述も・・・。私たち日本人には、とても珍重されていたもののようですが、明治時代に厳しい酒税制度ができたために、古酒は次第に姿を消していったとのこと。それが、平成になり、税制の級別制度の廃止とともに、再び古酒が注目され始めているようです。(難しい税法の説明はやめておきますが・・・)そして、この白木酒造さんでは、全国の蔵元と差別化すべく、昭和40年頃から古酒づくりをてがけられ、今や、業界の中でもとてもとっても有名な蔵元のようです。最近では、テレビをはじめ数々の雑誌にも取り上げられ、また漫画「美味しんぼ」に実名で登場したり、そして、高級レストランとかJALのファーストクラスなどでもお目にかかれるほどです。それに、ここの7代目の奥さまは、最近、海外でも活動をされていらっしゃるようですし、イタリア、ドイツなどのお客様もあるとか・・・。 今回、特別に蔵の中を見させていただきました。3月も半ばを過ぎていたので、「しぼり」などの作業もほとんど終わっているとのことでしたが、そこは、酒蔵。何とも言えない、い~い香りが漂っていました。白木酒造さんでは、古酒にするために特別な製法で醸造されており、通常の仕込よりも手間と時間をかけて作られているとのこと。そして、大きな琺瑯タンクで10年熟成させ、その後、瓶に詰めて貯蔵し、何年も寝かせるうちに、やわらかくまろやかで美味しい古酒が出来上がるそうです。 そして、出来上がったものが、これです!!左の写真が10年モノ、右の写真が3年モノです。 ・・・で、肝心のそのお味は、というと・・・全く個人的な感想で申し訳ないのですが、先ず、その香りというか、日本酒独特の鼻を突くようなものは感じられず、何とも言えない甘~い、い~い香りがします。そして、口に含むと、一瞬、中国の紹興酒のような印象を受けますが、それよりも飲みやすく、やさしい口当たりです。明らかに一般的な日本酒とは違います。それに、グラスに注いだ時のその色も楽しめます。ただ、このお酒、お値段もそれなりによろしい?ようで、その香りや口当たりを楽しみながら、そして、思い出や感動などいろいろな余韻に浸りながら、じっくりとやるための?お酒のようですね。いろいろな意味で、癖になるお酒かもしれません。 せっかくなので、ここで売られているお酒で気になったものを紹介します。これは、自分の家で古酒を作ってしまう優れモノです。例えば、子どもさんやお孫さんが生まれた時に買って、その子が20歳の成人式の日まで保存しておけば、20年モノの美味しい古酒ができあがるというものです。蔵で赤ちゃんの写真や名前などが印刷されたラベルを張ってもらえば、世界に一つだけのお酒というわけですね。なるほど・・・。保存も特別なことは何も必要なく、封を切らず付属の箱に入れて、紫外線を避けて保存しておけばいいそうです。ただし、いつまで手を付けずにいられるか?という問題あるのかもしれませんが・・・。これは、アイスクリームにかける古酒です。何とも贅沢な感じですが、アイスクリームの何倍もする高価な古酒をかけるというこですが、メインは、アイス?それとも古酒?どちらなのでしょうか?古酒で作った梅酒だそうです。もちろん、これを作るとくにできた梅の実も販売されていました。ある意味、限定品なのかも?こちらは、この蔵でじっくり熟成させた古酒を、オーク樽で再び熟成させたもの。その樽は、実際にフランスのワイナリーで使われているものと同じもので、有名な日本人ソムリエとのコラボレーションだそうです。その名も"Shigeri" (7代目の奥さまのお名前と同じです)その味わいの豊かさと、何とも言えない樽の香が特徴だそうです。 そして、こちらは、庶民の味方。古酒だけでなく、なじみのある清酒もおいしくいただけます!! また、店内には古いお酒だけでなく、昔懐かしいラジオや足踏みオルガンなども展示されています。お酒だけでなく、こちらにも、思わず見入ってしまいます。 中でも私は、大正時代の地図が気に入りました。蔵の中を掃除していたら出てきたとのことですが、この辺にもこの蔵元の歴史をうかがうことができました。そして、蔵の外には、昔、酒作りに使っていた桶を利用して、くるくると回転する乗り物もあります。直径2メートル以上、高さは3メートルほどもある大きな樽です。大人も中に入って、ん十年前?を思い出して遊んでしまいそうですが、ここでは子どもを遊ばせておいて、大人は、気になるお酒に下鼓・・・なんてこともできそうですね・・・。