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2011年03月09日
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カテゴリ:サイクリング

KTさんからの投稿です。

 

 

~かつての面影を探して~  

 

 忠節駅から、岐阜市の島地区や七郷地区を経由して、揖斐川町の本揖斐駅へと繋がれていた名鉄揖斐線。長い歴史の幕を閉じてからすでに5年以上過ぎ、架線やレールが撤去されるなど、かつての鉄路の名残はだんだん消えつつあります。

 

そんな中でも、揖斐線の面影が今も残る場所を、沿線住民のワタシがご紹介させていただきます。

 

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 ※今回ご紹介する場所には、岐阜市外の場所もあります。予めご了承ください。

 

~冷房なんてものはなかった~

 

 岐阜市内線沿線の現在については、当ブログのライター「あにい」氏が紹介しておられます。

 

 そして今回私が紹介する名鉄揖斐線は、その岐阜市内線のうち忠節支線の終端、忠節駅から続いていた専用軌道の鉄道で、2001年には黒野~本揖斐間が、2005年には残る区間も廃止となりました。

 

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 旧伊自良川橋梁架橋地点。橋脚や築堤などは撤去され、現在は左岸側で護岸工事が進められています。

 

 個人的な話で恐縮ですが、小さい頃から慣れ親しんでいた路線で、子供のころは電車といえば揖斐線しか知りませんでした。

 

 なので、名古屋本線のパノラマカーに乗ったときは、異次元の乗り物に思えたほどです(笑)。

 

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 旧谷汲駅(旧:谷汲村・現:揖斐川町)のホームに今も保存されているモ750形。(ここには後述するモ510形も一緒に保存されています。)

 

 揖斐線よりも一足先に廃線となった谷汲線を走っていた最後の車両として、ここで一般公開されています。

 

 谷汲線に転属になる前は揖斐線も走っていました。

 

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 市内の金公園に保存されているモ510形共々、懐かしい思い出をお持ちの方も多いのではないでしょうか

 

 これらの電車には『冷房』がありません。

 

 晴れていれば、車窓を開ければ気持ちのよい風が入るのですが、梅雨時の通学は特に大変でした。

 

 満員電車の中はまるでサウナ。駅につくころには汗でベタベタで、これなら雨に濡れながら自転車で走ったほうがマシだとさえ思ったものです。

 

 後年、冷房付の新型車両が登場したときは、本当に嬉しかったです。

 

~赤茶けたレールが物語る歴史~

 

 最初に書いたとおり、市内を含めて揖斐線沿線では、今ではレールはほとんどが撤去され、バラストと呼ばれる砂利だけが延々と続いています。

 

 そんな中で、現在もレールが残るのがここ、旧黒野駅構内(大野町)。

 

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 背後に見える建物は、開業当時(昭和初期)からほとんど姿を変えていない駅舎です。

 

 構内は、架線こそ撤去されているものの、廃止当時からほとんど変わっていない様子。

 

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 実はここに佇むレールたちの中に、鉄道レール史を語る証人達がいるかもしれません。

 

 最後でご紹介する参考文献によると、谷汲線内では、開業当時に調達されたフランス製レール(1925年製)や、鉄鋼王アンドリュー・カーネギー(ニューヨークにある有名なコンサートホールの生みの親)の会社で生産された19世紀製(!)のアメリカ製レールなど、多数の輸入レールが確認できたそうです。

 

 黒野駅は谷汲線と同時期に開業したので、きっと上記のようなレールがどこかに残っていることでしょう。

 

 また、更に早く開業した忠節~北方町の区間でも、このような古参レールが廃線まで使用されていたのかもしれません。

 

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 旦ノ島~尻毛間。今はバラストだけが残されています。

 

 和暦で言えば1925年は大正14年。遙かヨーロッパやアメリカから日本へやって来て、以来長きにわたり、この地域の発展を足元で支えてきたレール達にも感謝です。

 

~少しずつ春めいてきました~

 

 山間に差し込む日の光にも暖かさを感じるようになりました。

 

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 自転車で走っていると、季節の変わり目を肌で感じることが出来ますよ。

 

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参考文献:

大島一朗(2005) 『谷汲線 : その歴史とレール ローカル線からかいま見る激動の日本と世界』 岐阜新聞社






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最終更新日  2011年03月09日 14時35分48秒
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