いろいろ【まっち】んぐ

2009/03/19(木)07:21

モノ作り Part2

経済(29)

昨日、今日と暖かい日が続いています。 まるで 春真っ盛りのような気温。 のつぼみも芽吹いています。 これで開花もグンと早まるかもしれません。 しかし、またもや週末は模様。  春雨は いたくな降りそ桜花    いまだ見なくに散らまく惜しも            万葉集より   作:不詳 さて、GWもあと1か月あまりに近ずいてきました。 今年は不況で、おでかけも近場へ、と言う方も多いと思いますが、例の定額給付金狙いの商戦が手ぐすねひいて、待ち構えています。 当然、旅行業界もそうで、あちこちで格安パッケージツアーが目立ってきました。 不況になれば、旅行業界はかなり打撃を受けますが、これは業界にとっては願ってもないチャンス! さてさて、定額給付金 みなさんは何に使いますか? 昨年 アメリカのサプライムローン問題に端を発した世界同時不況ですが、まだしばらくは続きそうです。 その前、日本は戦後の「いざなぎ景気」を超える、長期間の景気上昇を見ました。 といっても庶民にはその感覚はありませんでしたが・・・ その反動があるだけに、今回の不況は景況の差があまりにも大きい と言えるでしょう。 しかし、もう1つ忘れてならないことは、前回の景気回復が輸出主導である点です。 日本では現在世界最速のスピードで少子高齢化が進んでおり、すでに人口もピークを超えたと言われています。 これでは、GDPの約6割を占める個人消費は伸び難いですし、また 財政状況を考えると財政投資で経済を押し上げることも難しい。 勢い「外部的要因=輸出」に頼らざるを得なかった とも言えます。 事実、2002年の年初以降、アメリカの消費ブームと中国の投資ブームに支えられて、日本の輸出は大きく拡大しました。 それが、前回の景気上昇の原動力でした。 人口が減少している日本経済が成長を実現して来られたのは、輸出拡大のお陰と言っても過言ではないでしょう。 すでに人口が減少局面を向かえ、少子高齢化も凄まじいスピードで進む日本。 さらに、国内の主要な資源を持たず、食料自給率が39%程度のわが国は、今後、どうやって生きて行けばよいのだろうか。 その答えとしては、おそらく総合的な技術力や、新製品開発能力を磨くことが最も現実的と考えられます。 ということで、本日のお題は 「モノ作り Part2」 尚、昨日のお題は 「シェアリング」 ご覧になってない方はこちらもどうぞ 以前 「質の良さ」で書いたように、元々 日本には“モノ作り”の伝統が存在しました。 国内にいると気がつきにくいですが、海外に長期滞在した方たちの話を聞くと、「日本製の多くのものは使い勝手がよく、耐久性にも優れているものが多い」という評判を聞きます。 「他国で作ってもこれだけのものはできないだろう と感じることが沢山あります」とも聞きます。 それは、日本の優秀な“モノ作り”の技術力が背景になっているからこそ、今でも、多額の貿易黒字を稼ぎ出すことができるのだと思います。 また かつてウォークマンの大ヒットで「世界の文化を変えた」と言われたソニー。 そのソニーの苦戦が続いているのは、ご存知の通り。 その現状は、まさに惨々たるもの。 昨年3月期の連結業績予想は大幅に下方修正され、一昨年10月時点で見込んでいた営業利益2000億円の黒字から、2600億円の赤字に陥る見通し。 世界的な景気後退によって、薄型テレビやデジタルカメラを中心に、主力製品の需要が急速に落ち込んだことに加えて、円高進行による多額の為替差損が発生した影響があります。 まさにダブルパンチならぬトリプルパンチ。 だが、憂慮すべきは、今回のソニーの苦戦は「単に業績が悪化した」という現象だけに留まりそうもないことです。 それはまさに、「モノ作り大国=日本」を代表する大手メーカーの“中長期的な存在感の後退”という問題が、表面化しているとも考えられます。 「理系社長と文系社長」で書いたように、日本の高度成長を支えた“工場型物作り”では、人やカネのマネジメント力に長けた文系経営者がベストでした。 高い技術力を持つ日本の技術者たちを使って、どうやって効率よく均質な製品を作るか。 そして、完成した製品をどのようにして売るか。 それを考えるのが当時の経営者の仕事でしたから、自分自身が技術者である必要はなかったのです。 今までのやり方では「どうやって造るか」が大事だったけれど、これからの経営者はマーケットのニーズを押さえたうえで「何を創るか」を考えなければならない。 ということが重要になってきます。 口先だけではモノは作れません。  元々ソニーは、わが国で最初にテープレコーダーを開発するような、高い技術力を基盤とする企業でした。 その経緯を振り返ると、同社の技術力は疑う余地もなく群を抜いていたことがわかります。 ソニーは、50年代初頭に東京通信工業として設立。 上記の通り、その核となっていたのは外国企業にマネのできない「モノ作り」の技術です。 テープレコーダーを製品化したことを皮切りに、トランジスターの研究を始め、トランジスターラジオの生産・販売に着手した頃から、同社は上昇傾向を辿り始めたのです。 アメリカ市場を中心に、ソニーの商標でトランジスターラジオの販売が順調に伸び、続く「トリニトロン方式」のカラーテレビの開発で、確実に世界ブランドへの階段を上がり始めました。 特に70年代後半に開発されたウォークマンは、それまでの“室内で聞くオーディオ”の常識を破り、歩きながら室外で音楽を聴くという新たな文化を作り上げたと言われます。 それによって、“技術のソニー”という評価を確固たるものにする一方、押しも押されもせぬ“世界ブランド”としての地位を築いたと言えます。 当時の海外ユーザーには、「ソニーは日本企業ではないと思った」という人も多くいたほどでした。 問題は、今後、そうした技術力や新しいモノを作り出す発想を、日本企業がさらに磨くことができるか否かです。 簡単な製品であれば、賃金水準の低い新興国で作ることは可能です。 ということは、中国やインドで作ることができない新しい製品を作り出すことが必要になります。 最近、「日本企業がiPodを考えられなかったのは残念」という指摘をよくにします。 確かに、iPodの部品の多くは日本製と言われており、その他細部にも日本の技術が生かされているという。 にもかかわらず、iPodを世に送り出したのは、アメリカのコンピュータメーカーであるアップル。 アップルには、世界の人が求める斬新な新製品を考え出す構想力がありました。 そのため、日本メーカーが後塵を拝する結果になってしまった といえます。 日本企業が、今後アップルが考え出したような新しい製品を開発したり、それを作り出す技術力を持てば、他国で作ることのできない高付加価値製品を世に送り出すことが可能になると思います。 突き詰めると、日本がこれからも世界経済の中で相応の存在感を維持するためには、どうしても「“モノ作り”の技術力と、新しいモノを作り出す開発力が必須になる」ということでしょう。 尚、前回の「モノ作り」(←クリック)はこちら。   来ました、定額給付金申請書 さて、何に使いましょかね?   大学からアクセスの多い別ブログ  まったく更新してませんが・・・   ●別ブログ2/25の新着は「謎の企業 B-CAS社」            前回は 「クレーマー保護者」             前々回は「アナログ放送終了」 こちらも見てね

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