テーマ:熱帯魚&水草の話(1118)
カテゴリ:熱帯魚
今日のアップはゴールデンテトラです。一般にゴールデンテトラと呼ばれているカラシンの仲間には数種類が混在しています。写真の魚はヘミグラムス・アームストロンギィ(Hemigrammus armstrongi)とされています。このゴールデンの特徴は体側部にメタリックブルーのラインが走る事と、尾鰭の付け根に黒いひし形の模様があることです。体色はゴールデンと言うよりはシルバーに近いでしょう。また、ヘムグラムス・ロドウェイ(Hemigrammus rodwayi)の方は、体色がほんとうに金箔を貼り付けたように金ピカなのと、尾びれの上下がやや赤く染まる事が特徴です。
ところで、皆さんはなぜゴールデンテトラが光るのか御存知でしょうか?じつはこの金属光沢の体色はこれらの魚本来の物ではなく、体表に寄生したバクテリアが光に反射して起こる現象だとされています。時々、このバクテリアの事を発光バクテリアとしている書籍などを見かけますが、本来発光とは暗闇で自分の力で光る(ホタルな)物を呼ぶので、光の反射で光る場合は発光とは言いません。あしからず・・・。 ゴールデンの体色がバクテリアの寄生によるものだだけに、ゴールデンテトラを長期間飼育しているとだんだん色があせてきて、その魚本来の地味な体色に戻ってしまいます。どちらかと言えば、アームストロンギィ種の方が色褪せは少ないようです。その分ロドウェイ種はゴールドの輝きがゴージャスなため、一時的な輝きか長持ちか選択に悩むところです。 さて、ゴールデンの発色がバクテリアの寄生によるものなのは判明しているのですが、いったいいつの時点でバクテリアが魚に寄生するかはよく判っていません。卵の時なのか、幼魚期かそれとも成魚になってからか・・・。さかなおやじは以前、どうしても金色のブラックファントムテトラを作りたくて、ゴールデンテトラを大量に飼育した水槽の水を使ってブラックファントムを繁殖させた事がありますが、残念ながらというか予想通り、1尾もゴールデンブラックファントムは出てきませんでした(苦笑)。それどころか、ゴールデンテトラ同士(さかなおやじの場合はロドウェイ種)の繁殖を水槽内で行っても子供たちには1尾もゴールデンタイプは出現しません。魚自体はポピュラーな種類ですが、実はまだまだミステリアスな部分をたぶんに持ち合わせています。 ゴールデンの発色をさせるバクテリアはその他の魚にも寄生するようで、ペンシルフィッシュ・ペレズテトラ・テトラオーロ・カージナルテトラなどたくさんの種類でゴールデンタイプが見つかっています。マニアの中には各魚のゴールデンタイプだけをコレクションする人もいるほどです。ただ、前述の2種以外のゴールデンタイプは全身ベカベカと言うほどには光り輝かず、体の所々がという程度に終わっているのも謎の一つと言えるでしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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