テーマ:ベタが大好き!(585)
カテゴリ:逸品堂通信
我が国でもコンテストが開催されているショーベタであれば、理想のショーベタ像と言うのがはっきりしていますから問題がないのですが、逸品堂の主力であるプラカットでは明確な基準と言うものがまだ確立されていないような気がします。そんな事から、ご質問には「各人が気に入った個体がその人にとってのベストなんですよ」とお答えしていたのですが、知人から「それはあんまりにも不親切な回答だ」と言うご指摘を受けましたので(苦笑)、この場をお借りして私の考える理想のプラカット像について何回かに分けてお伝えしていきたいと思います。 ただ、あくまでも一個人の独断と偏見に満ちた見解であり、やはり本音では「お好きなプラカットを選ぶのが一番です!」と言うスタンスは変わりないんですけどね。特に色彩面に関しては、個人の好みの問題なのでここでは取り上げない事にします。 1回目の今日は尾鰭の開きについて考えてみたいと思います。ショーベタであれば、やれハーフムーンだオーバーハーフだとある程度はっきりとした見方が出来ていますが、日本人でプラカットでそこまでこだわる人はあまりいないのではないでしょうか。しかし、実際にバンコクのブリーダーやアメリカのトップアマチュアではプラカットでも尾鰭の開きにランク分けがなされています。 1枚目の画像と2枚目の画像をご覧ください。共にブルー&レッド・マルチですがこの2個体のうちどちらの尾鰭が評価が高いと思います?正解は1枚目の個体。尾鰭に団扇の骨みたいに走るものを軟条と呼びますが、これが生物学で習った系統分岐図みたいに途中で枝分かれしているのがお判りいただけるでしょうか?これが何段階に分岐しているかで評価が分かれます。もちろん、多分岐の方が鰭の広がりがそれだけ見事になる為、高い評価を受ける事はショーベタと同じです。 ちなみに、1枚目の画像の個体では4分岐しており、現状のプラカットでは最高レベルとされ「フォー・レイ(4分岐)」と表現されます。プラカットの本場タイでもまだフォー・レイの個体はかなり稀少で、コンテストブリーダー以外は意識して生産はしていないようです。 このフォー・レイの個体は、プラカットのオスにハーフムーンのショーベタのメスを交配して作出します。もっとも、一度フォー・レイのプラカットの系統が確立すれば、その後は系統内での交配で4分岐が維持できるようです。バンコクやアメリカのコンテストブリーダーの間では、このようにプラカットのオスとショーベタのメスの交配が日常的に行われ、少しでも体型の優れたプラカットを作出すべく日夜努力が重ねられていると言うわけです。それと、余計な事ですが逆パターンでの交配は避けた方が無難です。下手すると、尾開きは非常に良好なのだが鰭が十分に伸長しないショートテールのショーベタ(笑)がどっさり出現する事になりかねませんから。 ショーベタと違い4分岐と3分岐の尾鰭の開きに、極端な差は感じませんからあくまでも参考程度に考えるべきだとは思いますが、もしあなたがインターナショナルなプラカットのコンテストに出品したいのなら(ってそんな人いないか)、こだわるべきポイントの一つです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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