さかなおやじのひとりごと

2013/02/28(木)15:07

2013年 バンコク最新ベタ事情 VOL.03

 バンコクにおける改良ベタの各品種の中で、一番現状が深刻なのがショークラウンでしょう。何しろ、ほとんど見かけなくなりつつありますから。ショークラウンはハーフムーンやプラカットに比べて価格が安い為、どうしても多量生産可能な大手のブリーダーのみが手掛ける様になり、小規模ブリーダーは販売価格の高いハーフムーンやプラカットの方を手掛けると言った図式は以前からあったのですが、ここに来て大手生産業者が廃業したり生産の主力をハーフムーンに切り替えたりし始めた為品薄になったと言う訳です。  もっとも、トラディショナルーベースのチープなクラウンテールは相変わらず大量に出回っていますが、見た目で劣る事やカラーバリエーションがほとんどない事からとても仕入れる気になりません。  もちろん、市場で品薄になれば需要が供給を上回るようになり、結果としてまた多くのブリーダーが手掛けるようになる筈・・・と言うのも少々期待薄かも。何しろ、ベースとなるショークラウンがどんどん姿を消している訳ですから、いざブリーダー達がショークラウンの生産を再開しようと思っても、種親がいないっ!と言う事になるのは明白です。当分の間、ショークラウンに関しては不毛の時代が続くんじゃないでしょうか。  そんな中、唯一の希望が!最近、ショークラウン専門のブリーダーを一人見つけてきました。彼が主力にしているのが、尾ビレの軟条が互いに交差する「キングクラウン」です。画像の個体はキングクラウンとしてのグレードは低いもので、あまりはっきりとした交差は認められませんが、良個体になると思い切り交差した尾ビレの軟条が実に見事なものです。しばらく前までは、ブラック・ドラゴンの系統だけでしたが、前回訪タイした際にはオレンジ、レッドのキングクラウンを確認しています。  彼の生産する個体はキングクラウンだけでなくショークラウンも非常に素晴らしいフォルムの逸品揃いなのですが、あまり大規模ではない為カラーバリエーションが少ないのが難点です。更には、その販売価格の高い事!確かに物凄いクオリティなんで自信満々なのは判りますが、ハーフムーンクラスのショーベタが3、4尾仕入れられちゃう値段だとちょっと腰が引けちゃいます。更に、キングクラウンだろうとショークラウンだろうと統一価格ってのもなぁ。普通タイ人ブリーダは数を購入すればディスカウントに応じるのですが、彼の場合は余程自信があるのか頑として値引きに応じません。これは私だけではないようで、現地で顔見知りになった台湾、韓国、日本の業者の方も同様の状況を嘆いてました。  それでも、ショークラウン界期待の新星って言うか「唯一残った希望」みたいな人ですから、出来る限り支援しなくっちゃ・・・と言う事で、訪タイの度にある程度は黙って文句も言わず仕入れるようにしています。

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