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テーマ:お茶人の今日の一日(754)
カテゴリ:お茶
今更ながらなのですが、12月3日にお手伝いさせていただいたお茶会の茶花の写真をアップします。
花入れは、先代のお家元の花押のある竹の尺八の花入れ。 赤い椿は妙蓮寺、白は、白玉椿。 茶色いのは、きささげだそうです。 ささげ豆の、木なんだそうです。 ささげって、「あめんぼ赤いなあいうえお・・・」の「ささげに巣をかけさしすせそ」のささげ? 実は実物を見たのは初めてです。 インターネットで検索したら、栄養食品が引っかかってきた。 この珍しい茶花は、広島市の北のはしっこあたりにお住まいの方が、朝はや~くから、摘み取って持ってきて下さったものです。 その方は、お茶会の最中は、ずっと水屋でお点前用のお茶碗を温める係りでいらっしゃいました。 大勢でのお茶会のときは、お点前する人は、お茶を二服程度点て、あとは水屋で点てたものをお出しします。 正直、お客様に点て出しでお出しするお茶碗を温めるのは知っていたのですが、お点前さんが点てるお茶碗まで水屋で温めているとは、初めて知りました。 お点前の途中でお茶碗を温める手順があるので、それで充分なのかと思っていたのですが、実際には、水屋で、あらかじめ充分に温めてから、席中に出していたのです・・・ たまたまその日が、すごく冷え込んだ寒い日だったからかも知れないのですが、こういう心配りもあるのだと感じ入りました。 朝早くから茶花を摘み、お茶会では、あまり目立たないお茶碗を温める役割。 陰徳、と言う言葉があります。 「私は○○したのよ!」とは決して言わないのだけれど、陰で、人のために黙々と積む徳。 早起きして茶花を摘むこと、水屋でお客さまが気付かれるかどうかも分からないお茶碗を温めると言う作業をされていたこと、その日はその方の陰徳をまざまざと感じて帰った日でした。 寒い冬の一日に、お客様に、体の芯も心もあったまって帰っていただけたら、本当に良いお茶会だったと言えるのでしょう。 そのためにどんな気遣いが必要か。 私も、そんな気遣いができるような人間になりたいと感じました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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