マダム豆大福の読書の小部屋

2009/01/09(金)10:21

性犯罪被害にあうということ

ノンフィクション(41)

著者は端正な美人。その写真が表紙になっている。テレビにも出演したらしい。「勇気のある」被害者、という紹介のされ方をしているけれど、私も全くその通りだと思う。しかしなぜ性犯罪にあったことを公表することが「勇気」なのだろうか。性犯罪の被害者に対して「あなたは100%悪くない!」と言い切らない社会ってどうにかならないものだろうか。 筆者は自分の体験を詳しく語っているけれど、まだ彼女は救われていない。 加害者は捕まらず、結婚をしたものの離婚に至っており、男性と前のような関係を結ぶのが困難だ。結婚していた頃、性交するたびに吐いていたというくだりを読むと、この種の犯罪がいかに人の人生を狂わせるかがわかる。 筆者は、「事実を受け止めること」が被害者にも周りの人たちにも何よりも必要だと言っている。 確かに「周りの人」がオロオロしていてはもっと被害者の心の傷は深くなる。 周りの人は「あなたにも非がある」ということは絶対に言ってはならないと思う。 性犯罪は、なくならないだろう。身近な人にレイプされる例も多く、潜在的な被害者も多いと聞いたことがある。受けてしまった被害の傷を癒す方法をもっと考えねばならないと思う。 身体のケアの面で「レイプケアキット」というのが紹介されていたが、これはもっとメディアで紹介するべきではないのか?と思った。 >

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