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カテゴリ:思想
怯えの時代
三村に暮らす哲学者、内山節の著。 「一寸先は闇」という言葉は昔からある。昔だって、将来は不安だったろう。 内山氏は、現代を、根源的な何かに怯え始めている不安の時代だとしている。 いったん滑り落ちれば這い上がることが出来ず、助けてくれる誰かの存在が希薄。 確かに「将来の日本、世界は今よりきっと良くなる」とは思えないし、自分の人生も、「どーせ年金もらえないんでしょー」「老人になったら姥捨山に捨てられるかもマジで」と思っている。 氏は、近代以降の社会を資本主義的な市場経済、近代的な市民社会、国民国家という三つのシステムが相互性をもって展開する社会だとしている。 今までは「発展」し続けてきたけれど、「自然」が有限であることによって、社会は立ちゆかなくなる。 システムの一つが劣化すると、その劣化が別のシステムの劣化を生み、現代は劣化に向かっている時代だと氏は言う。 どんよりしてしまう文章だったけれど、筆者は「連帯」がこれから重要になるとし、そこに希望を見ている。 この間の党首討論で、鳩山代表がそんなようなことを掲げていたけれど、政治で具体的にどのように実現していけるものなんだろうか。 経済の問題や犯罪の問題、人間と技術の関係などについて、哲学者の視点から新しい観かたを教えてもらえた。 社会の「善」はその社会の強者によって決まる、とか。(家庭内でも?) 振り込め詐欺の被害に遭ってしまうのは「温かいお金」(人間関係の中で使われるお金)に対する願望があるからだ、とか。 平易な文章で深い内容だった。 たぶん、どこかの大学で入試問題の素材文にするでしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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