マダム豆大福の読書の小部屋

2009/12/26(土)09:48

エンディング・ノート  桂美人 

モテ系恋愛小説(40)

エンディングノート 作者:桂美人   主人公の神尾良子は脚本家。デビュー作は映画になり話題となるも、その後は鳴かず飛ばずで、日々もがいていた。 ある日、良子のもとへ大学時代の後輩・水嶋から、文章講座の講師をしてほしいと依頼がくる。それは「エンディングノート」という死ぬ前に自分の気持ちを身内に正確に伝えたいという人々が集まる講座だった。 バイト感覚で軽く引き受けてしまった良子は自らの家族との不和もあって、この講座に不快な気分を催す。 だが、生前満足に会話も交わさなかった父親が急逝し、しかも彼がエンディングノートを遺していたことを知り、良子は家族や自分の過去ともう一度向きあおうとする… この人の小説を読むのは初めて。今も専業作家ではなく、会社勤めをしているとか。 過去の家族との確執とか、つらい恋愛・別れとか、そういうものにいつまでも縛られていると前には進めませんよーというメッセージが強く感じられた小説だった。 ストーリーはなかなか面白かった。主人公の良子が美人でモテモテで、男に意地悪なところはちょっとヤーだったけれどね。 エンディングノート。身内に自分の気持ちを伝えておく、か。んー、今のところそんなもの書く必要ないし、身内のエンディングノートも読みたくない気がする。 今すぐには死なない自信があるわけじゃないけれど。 明日ありと思ふ心のあだ桜夜半にあらしの吹かぬものかは(親鸞)  

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