マダム豆大福の読書の小部屋

2009/12/31(木)10:07

2009年 小説ベストテン!

小説(16)

今日は大晦日。豆大福が2009年に読んだ小説のベストテンを発表します。 といっても、順不同。良かった10冊です。お正月休み、今年は短そうだけれど、読んでみてはいかがでしょう? 八日目の蝉  角田光代 最近の角田光代は好きだけれど、その中でもとくに良い。最後の場面でウルウル。 居酒屋  エミール・ゾラ 新潮文庫で読みました。フランスの庶民階級の生活ぶりが分かって、しかもストーリーにもハラハラドキドキ。期待以上に面白かった作品です。 ばかもの  絲山秋子 喪失と再生の物語。悲惨な話だけれど、人間を信じられる。 わたしを離さないで  カズオ・イシグロ 小説の発想も、メッセージもすばらしい作品。忘れられない一冊になった。 幻影の書  ポール・オースター 今年読んだオースター作品のなかではこれが一番。罪を償うとはどういうことか、考えさせられる作品。 ポケットの中のレワニワ  伊井直行 村上春樹『1Q84』にテーマが似てる気がするけれど、私としてはこっちの方が完成度が高い気がする。売れ方の違いが気の毒なほど。『1Q84』が面白かったという人には是非こっちも読んで欲しい。 絶望ノート  歌野晶午 ミステリ?の中では今年一番!ご飯を食べるのも忘れて読めた作品です。 ヘヴン  川上未映子 これも『絶望ノート』と同様、いじめを題材にした小説。よかったです。 犬身 松浦理英子 人間が犬になるというシュールな設定。本来、私はシュールすぎるものは苦手だけれど、これは抵抗なく読めた。人間の邪悪さをあぶりだし、かつ暗い気持ちになりすぎない作品。 巡礼  橋本治 ゴミ屋敷の住人の半生を描いた作品。悲惨なんだけれど、最後に救いがあってよかった。 橋本治氏ならではの、(といってもあんまり読んでないけれど)弱者に愛情のあるまなざしを注いだ作品。 2009年は、私にとってこれまでの人生で最も本がたくさん読めた一年だった。 一年の読書を振り返ってみると、面白くて良き小説に出会うのはけっこう難しいことがわかる。最後まで読んでも肩透かしをくらったり、ありきたりだったり。 また、来年も素敵な作品に出会えますように。

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