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カテゴリ:小説
作者:角田光代 かなりの長編。でも面白くてグイグイ読めた。 仕事を辞めて家でぶらぶらしている良嗣は新宿にある「翡翠飯店」の息子。 祖父の死をきっかけに、この「家」のルーツについて疑問をもつ。 そして、祖母と、これまた何年も家でぶらぶらしている叔父と、かつて祖父と祖母が出会ったという旧満州に旅行にでかける。 満州で働き、敗戦後引き揚げてきた祖父と祖母、その子どもたちの死と生き方、そしてかかわる人々。3世代の歴史を社会の歴史とも絡ませた家族小説だった。 「満州で世話になった」と言っては誰でも店に住まわせる祖父母。彼らには「こうすべき」という考えは全くなく、それは孫の代にまで受け継がれている。 どうしてうちは「根無し草」一家なのか?良嗣の疑問は読者にだんだんに理解されていく。 角田光代といえば、「身近でリアル」なことを題材にする小説家だと思っていたけれど、今回はかなり重厚な感じ。自分の模倣をしないで前進できる小説家は本当にすごいと思う。 今、日本はかなり困難な状況に陥っている。戦後と今の災害後とを類比したりする人は多いけれど、この小説を読んでも、まあ、生きていくしかない、何とかなるさ、と思えます。 明るくはないけれど、力を与える小説です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011年03月30日 13時39分56秒
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