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カテゴリ:小説 青春
作者:西村賢太 芥川賞受賞作。 これが「私小説」だというから、すごい。 父親の犯罪が原因で両親が離婚、中卒で家を飛び出した「貫多」は日雇いの仕事をしながら、安アパートの家賃を何度も踏み倒しながらいきている。 友達も、恋人も家族もいない貫多。楽しみといえばコップ酒とたまの風俗通い。 毎日、仕事にいくことすら「どうしようか」と考える貫多だったが、友人のようなものができ、毎日仕事にでるようになる。 そして、その友人日下部との関係は… 「日雇い労働」のシビアさはわかっていたつもりだけれど、改めてしんどい世界だなと感じた。 それもすごいが、貫多の人生もなかなか。19歳という設定だけれども、荒みきった心と、それでも「人とのつながり」を渇望する若者らしい心が同居している。 意志が弱く、人とのつきあいもできない貫多にハラハラさせられながら、面白く読むことができた。 風俗とか、性にかんする下品な表現が多いけれど、高校生ぐらいになったら子どもに読ませたい作品の一つ。 学校教科書にも、こういうの採録すればいいのに。難しいことばも出てくるけれど、この世界、高校生なんかは興味を持って読むんじゃないかなあ。 こういう青春小説も、アリです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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