Zaanse Schans★Zaanse Schansアッセンデルフトは今ではオランダでも知る人は少ない伝統工芸ですがZaanse Schansに古いアッセンデルフト(18世紀頃の)を展示している博物館があるはずだから訪ねてみたら、と知人に勧められ車で連れて行ってもらいました。 博物館と言っても特別に立派で大きな建物があるわけではなく古い民家が立ち並んでいるだけですので半信半疑でしたが、あたりをつけて訪ねたお宅はMrs.Amonsさんという方のお家でした。(連れて行って下さった方が間違えて呼び鈴を押してしまったのです。) 「ウチではありませんよ。この先に行ってごらんなさい。」とMrs.Amonsは間違えて呼び鈴を押されたことを気にもとめず親切に応対して下さいました。 そして教えて頂いた博物館に行ってみたのですがアッセンデルフト作品は「今は無い」ということでした。 「せっかく来たのに残念だわ」と思いながら歩いているとMrs.Amonsがなんと「ウチに寄って行きませんか?」と声を掛けて下さったのです。 彼女は70歳代の未亡人で2匹の犬と暮らしていらっしゃるようでした。 趣味でオランダの民族衣装を作っていらして時々「民族衣装を着る会」というような素敵な会を催していらっしゃるようで写真なども見せて下さいました。 そして制作途中の衣装や完成した作品を展示してある工房を案内して下さいました。 200年前に建てられたというお宅は何回も修繕を繰り返しながら暮らしていらしたのだと思いますが日本の古民家と同様どこか懐かしいような臭いがしました。 1階はプライベートな個室とキッチン、リビングそしてミセスの工房がありました。 さすがに床はきしみ天井も低いような気が致しましたがキッチンには本物のマッカム焼きのタイルが貼ってあり18世紀の物ではありませんがナント90年前のアッセンを見つけました。美術工芸品ではなく普通に家具として使っていらっしゃる物です。 ミセスのリビングには古いヒンダローペンの大きな家具や机が置いてありやはり現役でお使いになっていらっしゃいます。2匹の犬もいつもここに居るようでした。 2階にも案内して下さいました。階段は狭くて暗くて急でしたが2階にはゲスト用のリビングがあり窓の外には大きな運河が広がっていてすごく明るかったです。 私の大好きな水色に金の飾りのある扉や壁を見た瞬間、昔洋書の中で見た憧れの部屋に出会えた気がしました。 アンティークの銀のティーセットや猫足の椅子などに目がない私にマダムは調度品一つ一つの由来を説明して下さいました。 また、白いキャビネットの上に幾つかの花入れ(銀色)がありますが裏には漢字で日本の水産関係らしき会社の名前が入っており、何故これがここにあるのか、を説明して下さいました。 私の英語力が乏しく詳しいことは聞き取れませんでしたが昔々の御先祖様が日本人から贈られた物だそうです。 400年も前からオランダと日本には国交があったそうですが、そんな歴史の一端をここで見るとは思わなかったので胸が熱くなりました。 目指していた博物館と間違えて呼び鈴を押してしまったのがきっかけで素晴らしい物を拝見することができました。改めて御親切に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。 ジャンル別一覧
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