madamkaseのトルコ行進曲

2015/07/21(火)22:58

水漏れ修理、4日目

チュクルジュマ界隈のこと、または猫ばなし(796)

【7月14日・火曜日】  どうも半端仕事をしているウスタだな、という思いがぬぐえないまま来て貰っているのだが、今日でウスタが修理を始めてから4回目のご出勤である。昨日、台所の流しの下をすっかり空っぽにして、排水ホースをすっかり取り替えたのだが、出したものを元に戻す作業が私には苦手と見えて、流しの下だけは夕べのうちに出来たが、後の部分はまだ猫にやられないように大きい寝室に隠しておいたのがそのままになっている。   朝10時頃のチュクルジュマの空。いいお天気で、薄い絹のような雲が見えます。  私の方は今日は外出の用事がないので、遅れに遅れているブログに着手、ようやく、トイレの水タンクが破裂!などという、1週間前の記事を、早朝から起きて書いていた。  台所のシンクやガス台の下の戸棚から修理のために持ち出した道具類を、早くまた元の場所に収めないと、食事の支度もままならないので、今日は朝食のあと、流しの下をすっかりかたづけ、順に引きだし、隣の鍋類を入れた戸棚、その隣の、大きな皿や丼の入った戸棚の中を綺麗にして、それぞれの場所に外に出ていた品物を納めた。  そのとき、流しの下から白い厚紙の箱に入ったものが出てきた。それは、以前浴槽のカランがどうしても閉まらなくなり、水が浴槽に漏れて来て仕方ないので、カプジュのオスマンに部品を買って来て、取り付け直して貰った2~3年前のカランについてきた部品で、水道規格の古い管に取り付ける延長ネジ山と、それをすっぽり覆い隠すアイナ(鏡の意、からんではネジの上にかぶせる目隠し部品)だったのである。  今日も10時半頃、ベフリュル・ウスタがやって来た。 「まだ漏っているのよ、ウスタ」と言うと、ウスタは頷いて、「今日は完ぺきに直るぞ」と言いながらまたアナワナ(元栓)を締めに降りて行った。  部屋に戻って来たウスタが言った。 「マダム、元栓のネジと、鉄管を取り替えた方がいいよ、明日にでも部品代も入れて200リラでやってやるよ」 「駄目よ、今のところそんなお金はないのよ」と私はあっさり答えた。やって貰うにしても、あんたにじゃないのよ・・・   排水ホース交換後の流しの下。白いホースが輝くばかりです。 「流しはどうだい?」 「とても流れがよくなっていい具合よ」 「よかった、よかった。何か問題があったら、すぐにアロー、と俺に言いなよ! よし、じゃあ最後に風呂と洗面台だ。なあに、今日こそ一発で止まるさ」  浴槽のカランをつけるとき、私はオスマンを呼んだ。 「ウスタがいよいよ最後の修理をするから、あなたも参考に見せて貰った方がいいよ」とまた私はオスマンに言った。  ところが、これが最後にはならなかった。浴槽の方は、私が流しの下から見つけて出した前のカランの使っていなかった延長ネジをつけてみると、非常にいい具合に古い規格の水道管と一致したようである。  アイナもすっぽりとほぼネジ山を隠してくれる。満足したウスタは洗面台の足を外して腐食してしまった銅の管を外し、そこに持って来た黄色の管をはめ込んだが、どうやってもうまく繋がらずに、今日はとりあえず諦め、明日また出直すことになった。  おいおい・・・ 「マダム、この洗面台は明日まで使わないように」 「あら、そうなの。いいわよ、流しも使えるし、大丈夫」  「明日朝のうちに来て、この仕事にきっちりキリをつけようじゃないか。バイラムも来るしとにかく明日はもう一つ部品を増やさないとならない。あ、部品は俺持ちだから心配するなよ、マダム。150でいいから」  何かと金額を口にする。きっとギョロッとした目玉がコワモテ風なのだろうが、ウスタはむしろ小心な、そんなに悪い人じゃないな、と思うと、なんだか可笑しくなってしまった。        madamkaseのトルコ本 「犬と三日月 イスタンブールの7年」(新宿書房) 「チュクルジュマ猫会」 海泡石のパイプやアクセサリーと、「宮古島月桃」の買える店   アントニーナ・アウグスタ    

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