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madamkaseのトルコ行進曲

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 marnon1104@ お久し振りです (。≧ω≦)ノ!! kaseさんのお誕生日だったのですね。 お元…
 marnon1104@ Re:トルコでシュウマイはいかがですか?(07/08) kaseさん、こんにちは(*'▽')♪ …
 madamkase@ Re[1]:渡航記念日(03/16) 高見由紀さんへ こんにちわ、イスタンブ…
 madamkase@ Re:渡航記念日(03/16) marnon1104さん、こんにちわ。 3月に書い…
 madamkase@ Re:トルコでシュウマイはいかがですか?(07/08) ひなのさん、おひさしぶりです。 トルコは…

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2017年06月19日
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【6月19日・月曜日】


 日曜日イスタンブール大学の法科の先生、アイシェさんから、「加瀬さんに私の大事な友人達を紹介したいので、19日、ご都合が良ければ午後3時半頃、大学の私の部屋においで下さい」とメッセージが来て、ほかにもアイシェさんと私の共通の友人達にも声をかけてある、というので、参加出来るように調整します、と答えておいたのだが、ネットの回復でそのほかにもたくさんの用事が舞い込んで来ていた。

 24日の土曜日の夜空港に向かい、日付が25日に変わった1時50分に日本に出発する2人の留学生が、日本で使う日本のお札を入手すること、新幹線を使って2週間、各地を旅行したいと言っているので、外人用のレールパスなどの購入を勧めても、2週間も経つのにうんともすんとも言ってこないので、どうする気なのか。

 まあ、これだけメールや電話でいろいろ知らせても、相手がすぐに動かないのだから、彼女達が日本の紙幣やレールパスを買えなくなっても、私の責任ではない、と平然としていられない性格が私にストレスをもたらして、余計疲労が溜まってしまっていると思う。

 そしてやはり、この何もかも切羽詰まっているときに、自分が疲労困憊状態なのに、アイシェさんの紹介してくれる、という人は「加瀬さんの知らない人達です」と言うので、それなら明日、無理をして出かけるより、掃除の続きを少しして、あとはゆっくりと午睡をとり、疲れを直す方が大事だと考え、アイシェさんにも疲労回復を図りたいので、申し訳ありませんが、と参加を断った。


 午後3時、夕食の支度にかかるまで少し寝ておこう、と水フィルター掃除機を分解して洗い、中を乾かそうと風呂場の周りに並べ終わった途端、電話が鳴って15年くらい昔からの友人、ヤ―シンさんが今店長を務めているファッションの店で、近所のソカク・ケディシ(道猫、街猫、つまり野良ちゃん)が道路で出産し大難産だったので、店に入れて段ボール箱に横たえたのだそうだ。

 その後2匹の子猫が生まれたものの、母猫は胎児を包んでいる胞衣(えな=胎盤)を口で破き食べて子猫を楽に呼吸出来るようにしてやるのが普通だが、もう2匹ともまったく産み落としただけで放置してしまい、2匹とも死んでしまったのだと言う。お腹がまだ大きいので、中に胎児が残っている可能性があると言う。

 どこか知っている獣医さん、ありますか、とヤ―シンさんが尋ねるので、私はジハンギルの何軒もある獣医の中から、1軒を推薦した。野良猫なので、連れて来た人からは治療費を取らないだろうというと、ヤーシンさんは「ありがとう、今一人なので、店には鍵をかけて連れて行ってみます」と言った。

 私は横になったものの、人のいいヤーシンさんが一人でおろおろしながらジハンギルまで母猫と1匹のヤウル(赤ちゃん)を運んでくるのを思うと、どうしても知らぬふりは出来ず、また起きて着替え、獣医まで行ってみよう、と傘も持ち外に出た。

 ヤーシンさんがもう獣医に来ているのかどうか、電話を入れたら、先刻店を出る支度をした時に、客が品定めに来て出られなくなり、まだ店にいると言う。私は進路を変えて彼の店に行ってみることにした。


 母猫は長毛系の美しいもふもふ猫だった。何ヵ月か前から、子猫としてこのあたりで見かけるようになり、やがて妊娠して今日出産を迎えることになったらしいが、まだ若い猫で母親になるだけの力量がない様子だった。

 段ボール箱の中にいた小さなモグラのような黒っぽい第1子の胞衣だけは噛み切って食べたらしく、抱き上げてみると小さいながらも元気な男の子だった。

 私は、かつて裏庭にまとめて捨てられていた生後2~3日位の6匹兄弟やら、今うちにいる、シェビィとアルスの母猫ニケが育児放棄してしまったために、親子3匹を引き取って家で面倒を見たり、何しろ産婆みたいな経験が何度もあるので、生後間もない子猫を人工飼育出来るかどうか、やって見ようと思った。

 ヤーシンさんの交代要員として夜勤や日曜だけ出勤するアフメットさんがやってきた。彼の本職はナイトクラブの歌手なのだが、かなり前からこの店に自分の仕事のないときは手伝いに来ていたのである。

 猫のことを聞いて早く出てきたのだそうだ。アフメットさんが私の指示通りに、小さいインジェクター(注射器)や脱脂綿、牛乳、などを買って来てくれた。牛乳が濃いので水で薄め少しだけ温めて貰い、脱脂綿に染み込ませて猫の乳首ほどに先端を小さく絞り、口に差し込みちょっと絞ってやると、やがて子猫の喉がしきりに動いてミルクを飲んでいるのが分かった。

taro  
小さな小さな生まれたての子猫タロー、お母さんが育児の出来ない子供のような猫です。

milk  
脱脂綿に含ませたミルクをせっせと飲んでいます。

taro2  
籠の中で必死にあちこち向きを変えて動き回るタロー

mamy  
まだお腹に1匹の胎児を抱えている母猫マミー。可哀想です。


 それにこのちびっ子は恐ろしく元気で、いっときもじっとしていないので、そのあとは胸の中に入れて、人肌で温めてやった。しばらくいるうちに、母猫には名前もないと言うので、マミーと名付け、お腹に触って見るともう1~2匹いるようである。

 私が店にいる間、アフメットさんはあちこちの獣医や市役所の動物病院に電話をかけて聴いてみたが、ラマザンなのでどこも4時頃でクリニックを閉めてしまうとのこと、そのうちの1軒の女医さんが、母猫を暗い静かな部屋に入れて、人が次々と覗いたりしなければ、また産気づいて自然分娩出来るでしょう、と説明してくれたと言う。

 母猫は疲れ果てているのか、自分の下腹部を舐めて清潔にする元気もなく、ぼんやりと店の入り口で外に向いて座り、脱出の機会を狙っていた。そのうち30分くらい行方不明になったが、ヤーシンさんが近くの車の下に入っていたのを見つけ、缶詰肉を少し皿に入れて誘い出し、捕まえてきた。

 近所の店々の人、路上駐車の車から料金を徴収する市の道路課の職員、コック、床屋、いろいろな人があとあと見に来るので、気が散って仕方ない母猫を柱の後ろの小さな物置に隠し、ドアを細く開けて少しだけ光が入るようにして、段ボールは箱でなく、畳んで敷くように私が言い、ヤーシンさんが産室を拵えた。

 3時間余り店にいたが、7時でヤーシンさんがアフメットさんに後を任せてアジア側の家に帰って行った。私もそれより少し後まで残り、チビ猫を胸に入れたまま、育児道具を預かって、イスティクラール通りを横切り、近道を通って家に戻ってきた。

 ちょうど家に向かっている時に小雨がぱらつき始め、私が家に入ると間もなくかなりの粒となって本格的に雨が降り出した。ああ、いい時に帰って来た。チビ猫のためにプラスチックの箱の中に、電気あんか(足温器)を置き、通電して吸水パッドを敷き、その上に熱すぎないようタオルを敷いた。さらに上にタオルをかけて寝床を拵え、私のベッドの脇に置いた。

 9時過ぎ、店員のアフメットさんに電話してみると、母猫マミーは少し前に出産し、胞衣は食べて無事に子猫は生まれたが、ちょっとだけ母乳を飲ませただけでそれきり子猫を顧みないのだと言う。

 やれやれ、私はタローがおとなしく寝ているので、7時と9時と12時にミルクを飲ませてやり、書き終わらずにいたブログを仕上げてアップデートしてから寝床に入った。

 またまた余分な仕事を背負ってしまったが、この子だけでも生き延びてくれたら、と一生懸命世話をしてしまう。死ぬまでこの性格は直りそうもない。






   かに座さそり座いて座
かに座さそり座いて座



madamkaseのトルコ本 「犬と三日月 イスタンブールの7年」(新宿書房)




猫猫「チュクルジュマ猫会」猫猫




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Last updated  2017年06月21日 00時24分15秒
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