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madamkaseのトルコ行進曲

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 marnon1104@ Re:トルコでシュウマイはいかがですか?(07/08) kaseさん、こんにちは(*'▽')♪ …
 madamkase@ Re[1]:渡航記念日(03/16) 高見由紀さんへ こんにちわ、イスタンブ…
 madamkase@ Re:渡航記念日(03/16) marnon1104さん、こんにちわ。 3月に書い…
 madamkase@ Re:トルコでシュウマイはいかがですか?(07/08) ひなのさん、おひさしぶりです。 トルコは…

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2017年10月16日
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【10月16日・月曜日】


 仕事と言っても知り合いの紹介で、ある大きなホテルの社長さんの相談に乗ってあげてくださいと言うだけの話なのであるが、数日来まり子さんとも討論を重ね、本日は午後から私に相談を持ち掛けたホテルを訪問する約束になっていた。家を出がけにまり子さんがドアを開けた途端ミディエ猫が脱走、彼女が最上階まで階段を上り探したが見当たらず、外で元カプジュ夫婦に捕まるとひどい目に遇うかもしれないので心配だが、仕方なくそのままトプハーネ駅に急いだ。

 目の前でトラムワイは逃すわ、後続車は来ないわ、15分も待った挙句やっと来た電車に乗ったら超満員、ところがガラタ橋を渡って旧市街に入った途端、トラムワイは駅に長々停車したり、スルタンアフメット、ベヤジットなどなど、旧市街の要所要所で路面電車の悲しさ、線路内に入り込んだ一般車が詰まってしまっており、前にいるトラムワイとはねぎまみたいな串刺し肉団子状態、信号停止でもないのに全然前に進めないのである。

 結局約束の4時より30分も遅れて目的地に到着、私に相談してきた当のホテル社長は朝から留守とのことで、代わりに女性マネージャー氏が相手をしてくれることになった。社長の相談案件は、ホテルに日本人客をたくさん集めて活性化したい、という希望の実現のために、どんなことが出来るか教えてほしいと言うのである。

 先週から何度もまり子さんと相談して、いろいろな方法やアイデアを書き連ねてミーティングに備えて行ったのだが、私が下書きしたものを、不在の社長に後刻読んで貰うために、まり子さんが大急ぎでトルコ語に直してくれたり、彼女が話をするとき私が補足したりと、マネージャー女史と3人で一時間余りに渡ってロビーのボックス席で話し合ったのだった。

 ここは外見からしても堂々たる6~7階建ての四つ星ホテルで、ロビーもきれいなのだが、私が知らされていなかった重大事項が一つあった。マネージャー女史が言うには、日本食を出すレストランやすしバー、娯楽室などなどの設置に対して、ホテル内での飲酒はたとえ宿泊する部屋内でも禁止という絶対条件があるとのこと。

 宗教的な見地から飲酒を認めないのだそうだ。なかなか立派なシティホテル風なのに、はは~、だから、ロビーの一角にはバー風な造りもあるのに、アルコール類が一切おいてないのか・・・やっと納得。

 えええ、それならそうと相談を持ち掛けた時点で最初から言ってくれないと、こちらがいくらいろいろなアイデアを考え、それが実行された場合の手配をあちこちの業者や専門家に交渉しても、日本人がたくさん集まって楽しめる魅力的なホテルに出来るわけないじゃん。アルコール大好きの日本人をどうやって連れて来るのよ、もう。


 二度も三度もまり子さんにわが家へ足を運んで貰い、この案件に関し、可能性のあると思えるたくさんの項目をあげて書き出し、二人だけではあるが、ブレーンストーミングをし、実現の難しそうな項目は消去して、今日、満を持して訪問したのに、まるきり無駄足を踏んだとは言わないが、私はイスラーム教徒向けのハラール食品についてはわかるが、酒類を一切提供しないホテルだったことにまでは思い至らなかったのである。

 ここはサウジかアラビアか。トルコはカジノも禁止されているし、酒類なしにどうやって楽しい宴会を催すのよ、頼まれてから10日ばかり、旧市街にも日本人の集まる娯楽の場をほしい、という社長の頼みに、私のパソコンの周りには思いつく限りのメモや走り書きした紙でいっぱい。ああ、頭にハンマーで一撃食らったみたいなチャーレシズ(なすすべもない)状態。

 5時半過ぎに暇乞いし、三球三振のバッターのように出て来ただけ無駄、帰り道は疲労感が肩にまで覆い被さっているような、元気のない足取りで延々とトラムワイ通りを歩き、小腹も空いてきたのでいっそのこと、夕飯を近くのウイグル料理屋で食べて行こうよ、と私が誘い、アクサライの大交差点で地下道を通って、広いワタン大通りの中央分離帯に出た。


 今日は大雨がまた降るのではないか、と気を揉むほど黒雲が張り出していたのだが、ホテルからアクサライ大交差点までに小雨がぱらついた程度、革コートがちょっと濡れただけで大雨にならないうち空港メトロのアクサライ駅前に出た。


Aksaray 1 
ワタン大通りの中央分離帯で。ワタン大通りは沿線にイスタンブール県警などがあり、空港方面に続く。

Aksaray 2  
空港メトロのアクサライ駅入り口。かつてはここが空港への始発駅だった。
現在はマルマライ線のイエニカプ駅まで繋がり、新市街メトロと接続できる。

Aksaray 3  
駅前から今来た方面の空を見る。さっきまでぱらついていた小雨は止み、
左側の空(海や空港のある方面)は真っ黒な厚い雲に覆われている。


 ここまでくれば、目指すウイグル料理店までは歩いて10分ちょっとで行けるだろう。さあ、元気を出して行きましょう、と私達はトラムワイ通りには戻らず、ちかみちしようと迷路のようなソカク(裏通り)に入り、右に左にくねくね曲がってとうとうウイグル料理店に到達、何を食べるかメニューを見ているうちに、日没のエザーンもそこで聴いたのだった。


 8月下旬にトルコ人の奥さんと2歳半の可愛い坊やを連れて、日本に完全帰国をしたテレビタレントの小林正貴さんの送別会をした店で、料理が美味しいし、電車通りの店のように繁盛するにつれて年に何度も値上げし、安給料で済むようしょっちゅうコックを新米に取り換え、味の安定しない店と違い、家族経営らしくいつ来ても同じ味が楽しめる。

 まり子さんも以前この店に入ったことがあり、味は気に入っているという。一品料理の盛りが半端でなく多いので、どれも半分ずつ分けて3種類の料理を楽しんだ。満腹になるまで食べ、お茶をポット2杯分飲み尽くし、心行くまで食べたり喋ったりしたので、今日の「お酒は駄目よホテル」の空振り三振から来る疲労感は、もう気にならなくなった。

soup  
これが美味しいチュチュレ・スープ。1人前を半分ずついただけば十分。
出来るまでかなり待たされ、写真を撮り忘れて平らげてしまったので、以前の画像です。

manti  
二番目に来た料理がマントゥ(餃子)、これも半分ずつしてモガモガ。
そこにメインディッシュのウイグル・ラグメンが来たのではっと気が付きました。
わあ~っ、大変、忘れてた~っ、写真、写真! 写真を撮らなくては!

lagmen  
これがウイグル・ラグメン、麺はその日に打ったばかりの手延べの腰の強いもの。
若干、太いところがあったり、細かったりもするが、そこがまた手打ちのいいとこ。
ピリ辛仕立てのラム肉と鮮やかな色どりの野菜を炒めたつゆだくソースがまた美味。


 しかし食べながら、なんだか苦戦しているような気がしてきた。そうそう、箸がないからだ。箸を頼むと、今度はボーイさんが忘れ、催促してやっと出てきた箸が太くて長い。でもスプーンとフォークだけでこのラグメンを食べるのは容易な技ではない。菜箸並みに大きな箸ではあったが、ようやく食べている、という心地がした。

 その店のショウケースにたくさん入っていた大きな白菜を、交渉して1つ譲ってもらって8時半頃店を出た。大通りに出ると、まり子さんが通りがかりのドルムシュを止めてくれたので、私はそれでタキシム広場まで戻ることにし、白菜は重いからと彼女が持ってくれていたが、二人とも念頭から飛んでしまい、まり子さんはバス停に向かった。

 幸い道路はもうスムーズに流れていたので、15分もしないうちにタキシム広場に到着、出たついでにジハンギルのスラセルビレル通りのスーパーで、野菜などの買い物をして家に戻った。ミディエ猫がアパルトマンの入り口で私を待っていたので一安心、家に入るなりまり子さんに知らせようと鞄から電話を出したら、そこに1年前に知り合った雑誌の編集者から電話が来て、「是非とも加瀬さんにお願いしたいことがありまして」というので話を聞いてみると、今はとある記録映画を手掛けていて、メヴラーナに関する事項もあるので、セマーゼンとネイゼンを紹介して貰いたいのですが」という話。

 たった今、自分の鞄や買い物のビニール袋を提げて、帰り道の階段や坂をえっちらおっちら急いで降りて来たうえ、ミディエ猫と一緒に家に飛び込んだところだったので、息切れのしている私は急に言われても即座に「はいはい、ではこうしましょう」とは言えなかった。明日にしてほしいと頼んだ。すると彼は明日の午後にでも、イスティクラール通りにある私どものオフィスに出向いていただけますか、午後こちらの都合が着いたら電話しますので、という。

 頼む方が私の家の近くまで来るのが普通じゃないの、と一瞬思ったが、去年雑誌に取り上げて貰ったことでもあり、私はメヴラーナに関してもいまだに門前の小僧状態なのだから、偉そうにうちの近くに来て下さい、とも言えないわ、と自分が出向くことになった。明日の午後、相手本位の時刻なのだから、ああ、いったい私はいつ掃除の続きが出来るのかしら。


 そのあと、まり子さんにすぐ電話した。彼女もミディエが心配で私に電話しようとしたところだったという。今日は仕事が仕事にならなかったけれど、二人でウイグル料理を食べてゆっくり話が出来たね、ミディエも無事だったし、それが本日の収穫だったね、と話し合った。

 明日会う約束のクライアント(?)の話もしたら、まり子さんが言うには、「そんな、メヴラーナ関係のことで相談が来るというだけでもすごいわよ、加瀬さんが勉強した証じゃないの!」と言ってくれたので、確かにそう思ったほうが幸せな気分になれるに違いないと納得した。そういう考え方についてはメヴラーナの教えの中にもあることだ。

 まり子さんも損ばかりしている人なのだが、それでも他人をだましたり利用したりする側じゃなくてよかったね、と言い合える友達同士である。待てば海路の日和あり、そのうちひょっこり、いいことがあるかもしれない。













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Last updated  2017年10月20日 22時41分45秒
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