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madamkaseのトルコ行進曲

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 marnon1104@ お久し振りです (。≧ω≦)ノ!! kaseさんのお誕生日だったのですね。 お元…
 marnon1104@ Re:トルコでシュウマイはいかがですか?(07/08) kaseさん、こんにちは(*'▽')♪ …
 madamkase@ Re[1]:渡航記念日(03/16) 高見由紀さんへ こんにちわ、イスタンブ…
 madamkase@ Re:渡航記念日(03/16) marnon1104さん、こんにちわ。 3月に書い…
 madamkase@ Re:トルコでシュウマイはいかがですか?(07/08) ひなのさん、おひさしぶりです。 トルコは…

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2017年10月19日
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【10月19日・木曜日】


 一体どういうわけでこうも毎日毎日、ブログ種のような出来事が私の身の回りに起きるのだろうか。そのために忙しくて、当日の出来事をブログに書き留めておくことすら出来ない私。それはなぜかというと、マイクロソフトのワードで下書きをしても、保存が出来ない設定になっているらしく、自分では直せずそのうちに、そのうちに、と思っているうちに結局3ヵ月近くもブログをアップデート出来ない日々が続いていた。

 これが私にとってものすごいストレスになっているのも分かっているが、どうしようもなく日々が過ぎて行くのだった。月曜日に訪ねた例のホテルからは、もうそれきり連絡がないが、こちらは頼まれたことだけはきちんと出向いて話をしてきたわけだから、当方にはもう責任はないと考えて、それ以上用事が増えないように私から電話をかけるのはやめておいた。


 さて、今朝もまた私に1通の急ぎのメールが舞い込んで来た。旅行者の日本人男性からで、困ったことが起きて在イスタンブール日本総領事館に行ったら、通訳として私を紹介されたというのだった。彼は先週イスタンブールに来て間もなく、世界遺産の街、スルタンアフメットで自称ガイドと言う男達に声をかけられ、あちこちを見せて貰った後、とある絨毯店に案内され、断り切れない状況になって高額の絨毯を買わされ、その後非常に後悔し、帰国を前に返品したいのでどうしたらいいですか、という内容だった。

 通訳として働けば一定の日当をクライアントに払って貰うことが出来る。しかし、その日の夕方から私には、友人美保子さんがかつて勤めていた店のオーナーの友人で、6年くらい前に知り合った日本の大学教授の先生が、帰国の前に美保子さんと私の3人で夕食を共にする約束があった。

 絨毯屋との返品交渉など、すんなり1~2時間で解決のつく話ではない。断ってしまうのは簡単だが、クライアントもかなり困っていることだし、このところ仕事のない時期にフリーランスで働く者には、こうした臨時の通訳は大事な収入源である。

 そこではた、と思い当たった。この仕事はまり子さんにやって貰えば彼女の収入になるではないか。電話してみると彼女も快諾してくれたので、事情をよく知っておくために、今日午後1時半から2時までの間に、タキシム広場で旅の青年と3人で出会う手はずになった。朝のうち水フィルターの掃除機を組み立て、今日こそ掃除に取り掛かる寸前だったところに、結局その青年とのメールでのやり取りが発生したので、掃除はまた延期せざるを得なくなった。

 掃除機は放置したまま、私は自分が食べる時間のなくなった朝ご飯を、おにぎり弁当にして意気消沈しているらしい旅の青年へのお土産に持ち、1時過ぎに家を出た。ところがまたもやアパルトマンを出てすぐ、わが家の北隣の骨董店のドアの前に、うちのタンブル猫とよく似た白っぽい毛色にグレーの模様が入った、チュクルジュマの野良猫「三ツ星」が倒れているのを見つけた。

 どうしたのだろう、と近づいてみると私を見て彼女はかすかな声で鳴いた。「三ツ星ぃ、どうしたの?」と頭をなでながら声をかけると、三ツ星は起き上がろうとして首をもたげたが、顎のあたりに口内からの出血があり、一目でバイクか車にはねられたらしいと察することが出来た。そっとまた寝かせ、急いで家に入りセペット(キャリーボックス)を持ってきて三ツ星を抱き上げ、ボックスに入れた。ああ、もう長くはないかもしれないと感じた。

 痩せこけたこの老嬢が日ごろ暮らしているこの周辺で、最期の最期に私に会いに来たような気がした。野良にしても可愛がっていた猫は、みんな最期に私に別れを告げにくるのである。せめて点滴とか痛み止めの注射を獣医さんにして貰おう、とボックスと自分のトートバッグ(いつも非常に重い)を左右に持ち、タクタキ坂に出てやっと階段を上ったが、ジハンギルの獣医に行くにしても、到底このまま歩いては行かれそうもなかった。

 通りがかりのタクシーに頼んで乗せて貰うことが出来た。ほかに患者がいないので、ファトマ先生はすぐ診察台に三ツ星を載せ、あちこちを触診、熱を測るために肛門にテルモを差し込んだ時、性器からも出血しているのを見て、「もう助からないかもしれないね、この子」と先生は言った。

 「せめて点滴と痛み止めの注射をしてやってください」と私は頼んだ。タキシム広場で来客が私を待っていることを告げ、三ツ星のそばにいることが出来ないので、先生に預けてクリニックを出た。近くのジハンギル・タクシーのプールで、丁度1台いた空車が客を迎えに出て行こうとしていたので、タキシム広場を通って貰い、緑色の帽子を被っている、という旅の青年と無事に出会うことが出来た。

 チャイを飲もうにも、広場の前のマルマラ・ホテルのカフェ、スターバックス、甘味店などは木曜日だというのに週末のように賑わっており、話をするのに落ち着かないので、ろくに人の入っていないトゥルンジュ・パンパンに行って、同じことを二度説明させずに済むよう、私が主に四方山話をしながら、まり子さんが来るまで待つことにした。

 彼女もバスが交通渋滞に巻き込まれ、2時半過ぎにやっと到着、青年に事件の模様をざっと説明して貰い、3時15分に席を立ち、スラセルビレル通りにあるタキシム郵便局の前で別れた。

 今朝、娘のV子が、送ると即日に着金するWesternUnionという方法で1万円を試しに送ってみたので、後で受け取りに行ってみて、とメールで連絡があったので、最寄りの郵便局に受け取りに行ったのだった。「雹で壊れたアンテナの修理代くらいにしかならないけどね」とV子は言うが、大いに助かる。

 トルコでも大多数の銀行がWesternUnionに加入しているので、いつも空いている広々とした銀行に行けばよかったのだが、うっかり何も考えずに通り道だからと立ち寄ったタキシム郵便局は狭い上に大混雑で、小一時間も待たされてそれでもやっとトルコリラで受け取ることが出来、三ツ星の病状によってはファトマ先生とお茶でもするかもしれない、とチョコレート菓子などを土産に買い、4時半ころクリニックに着いた。

 ファトマ先生は私を見るなり、「ああ、あなたに電話しようと思ったんだけど、どうしても番号が見つからなくて」と言った。三ツ星は3時過ぎに絶命してしまったそうで、私には治療費275リラの借金が残されていた。残念、たった今娘から送って貰ったばかりのお金320リラが、タクシー代やお茶菓子代も含め、三ツ星と一緒に飛んで行ってしまったのである。


mitsuboshi  
在りし日の三ツ星。うちのタンブルの父親マッシモの母ヨスンの姉、
つまり大伯母さん。タンブルがよく似ています。2002年生まれ享年15歳。

mitsuboshi 2  
正面を向いた三ツ星、チュクルジュマの猫達をくまなく写した
ドイツ人の女性カメラマンのアルバムにも彼女が出ていました。

Tanbur  
うちのタンブル(右)は、額の模様も大伯母三ツ星にそっくり。
今年1月に先立たれた恋人マヤちゃんもタンブルと似ています。


 三ツ星の遺骸はクリニックから市の清掃課に連絡すれば、明日は取りに来てくれるとのこと。私は最後に三ツ星の遺骸を撫でてやり、ボックスだけ返して貰い家に戻って、猫達に大急ぎで餌の缶詰を与え、美保子さんと連絡を取りながら大学の先生と待ち合わせるウイグル料理店に向かった。

 トプハーネ駅から乗るとトラムワイは混んでいたが、幸いに席を譲ってくれる人があって目的地のユスフ・パシャ駅まで座っていくことが出来た。美保子さんより一足先に店に入ることが出来、先生と先生を招待したB大学の職員さん、運転手さんが全員揃ったのは7時少し前だった。その間美保子さんとたくさん話が出来てよかった。

 メンバーが揃うと2階の広いテーブルに席を移して、アルコールなしなのだが、先生との久々の再会で話が大いに盛り上がり、最後はご馳走になって、10時過ぎ、もうカンバンになった店を出た。運転手さんが先生を空港まで送ってくれるので店の前で別れ、美保子さんとも近いうちにもう一度会いましょうと約束して、ドルムシュで飛ぶようにタキシム広場まで戻ることが出来た。

 なんとも慌ただしい一日だったが、三ツ星の最期に当たってチュクルジュマ友達として尽くしてやったし、まり子さんのような経験の長い、通訳と言うよりネゴシエーター的な働きが出来る人がついたので、あの青年にもいい結果が出たかもしれない、と私は安堵して夜2時、床に就いたのだった。










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Last updated  2017年11月05日 04時46分12秒
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